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投稿日:2021年07月31日

事務局通信~アフターワクチンの時代⑥

 6月末にワクチンの供給不足が表面化し、自治体の接種や職域接種のスケジュールに大幅な変更が余儀なくされました。予約や申請の受付停止など大きな遅れが生じていますが、実は「ワクチンが足りない」という表現は正確ではありません。
 例えばアストラゼネカ(イギリス)のワクチンは1億2000万回分(6000万人分。ファイザーの供給量の6割強)の供給が予定されており、すでに3月から日本国内での製造が始まっているのですが、国内では全く使用されないため余っています。このまま使用期限が過ぎれば廃棄せざるを得なくなる可能性もある中で、計1107万回分がベトナム、台湾、インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシア、スリランカに無償で提供されました。さらに今後イランやバングラデシュなど15か国に対して1000万回分程度が提供される予定です。 
 また日本の国産ワクチンも4種類完成していますが、いずれも治験に時間を要し実用化に至っておらず、緊急使用という選択肢も具体化していません(台湾ではすでに台湾産ワクチンの緊急使用が許可されました)。
 つまり、すでにワクチンは十分あるのに、石橋をたたいてあえて使わない、というのが現状です。石橋をたたく余裕は残っており、「最大の危機」と喧伝するほど切羽詰まった状況ではない(もしくはそこまでの危機感はない)、ということです。
(ただ国内でも東京で1日の陽性判明者数が3000人を超し40代、50代の重症化事例が増えるという事態に至って、ようやく「40才以上」と対象を限定した形で、アストラゼネカワクチンの公的接種での使用が決まりました。そもそも、無償とはいえ他国に提供しているワクチンを、自国では副反応の不安があるから使用しない、というのは、かなり失礼な話だと思います)

 そもそも予防接種は自分の身を守るために自らの意思で接種を受けるものであって、(たとえ公共のためであったとしても)他者から強要される性質のものではありません。自らの身体のことは自ら決定する、というのは基本原則です。

「どのワクチンでもよいから、とにかく早く接種して自由に行動したい」
「副反応や効果の点から考えて、多少接種が遅れてもよいから、ファイザーかモデルナで接種を受けたい」
「できれば海外製のワクチンではなく、国産ワクチンを接種したい」
「自分は重症化のリスクは低く、副反応も心配なので、できれば接種は受けたくない」
「自分自身は接種を受けるつもりだが、子供にはあまり接種させたくない」

 ワクチンを接種するのかしないのか、どのワクチンを接種するのか、それは一人一人が決めたらよいことです。どの考えも尊重することが大切であり、その意味では、正確な情報を提供した上で、選択肢を増やしていくことは必要だと思います。

8月1日追記
 「ワクチンが足りない」という状況は、市町村ごとに大きく異なると思われます。ワクチンの接種や供給の量についてのデータは都道府県単位でしか公表されていませんが、同じ都道府県内でも市町村によってかなり差があることは確かです。
(厚生労働省による市町村単位での公表は、住民からの苦情が増加することを恐れた市町村側の反発もあってか見送られたようです)

例えば、沖縄県は独自に市町村ごとの接種状況を公表しています。7月28日付のデータを見ると、人口当たりの陽性判明者数が東京よりも多い沖縄本島では、2回接種完了者が全住民の2割に達していないところが多く、特に人口が30万人を超す那覇市を始め、人口5万人以上の市のほとんどは接種完了率が12~15%となっています。一方、それに比べて離島の町村の接種完了率は高いですが、7割前後のところ(南大東村、北大東村)もあれば、まだ3割程度のところ(久米島町、与那国町)もあります。

 接種を希望する住民全員分のワクチンが確保できているところもあれば、ワクチン供給の確実な見通しがたつまで高齢者以外の接種がストップしているところもありますが、「ワクチンが足りない」という声はあちこちから出ても「ワクチンが余っている」という声は少ないでしょう。
 なぜなら、たとえ接種を希望しているのが住民の7割だったとしても、残りの3割の住民の分も(たとえ使用される可能性が少なかったとしても)確保しておきたいと考えるのが通常だからです。3割の分は接種率の低いところに回したいからしばらく供給を止める、と言われたら「余っているわけではない。ワクチンはまだ必要だ」と反発もあるかもしれません。

8月2日追記
 新型コロナウィルス陽性判明者数が急増する中、全国知事会による緊急提言に欧米のようなロックダウンの法制化の検討の要請が盛り込まれました。政府や自治体がお願いしても国民が言うことを聞いてくれないから、強制してでも言うことを聞かせるべきだ、という論理については、賛否両論あるでしょう。
 ただ今回の第5波に関しては、政府にとっては想定内のことだったと思います。ワクチンの承認・確保・接種開始に出遅れるという失態を演じたにも関わらず、高齢者の接種さえ間に合えば重症者数の増加は抑制されオリンピックの開催は大丈夫と判断し、アストラゼネカ製ワクチンの限定使用や国産ワクチンの緊急使用という、接種のスピードをさらに加速させる手段があったにも関わらずあえて使いませんでした。そこまでやる必要はない、そこまでやらなくても大丈夫、という判断だったのです。
 確かに高齢者の方の4分の3は2回の接種を完了しました。医療従事者を除く一般の国民全体でもわずか25人に1人だった接種完了者が2か月で10人中3人となりました。最初の出遅れを取り戻し、オリンピックの開催にギリギリ間に合った、と政府ではむしろ肯定的に捉えられている可能性も否定できません。少なくともオリンピックが終わるまでは「最大の危機にも関わらず人流抑制に協力しなかった国民が悪い」と責任をなすりつけるようなコメントはできないでしょう。

 アストラゼネカ製ワクチンの限定使用についてはようやく決定されました。ロックダウンの話まで出てくるほど危機的な状況であれば、国産ワクチンの緊急使用も認め、使用可能な手段はすべて活用することで自治体や職域の接種における予約申請ストップという「緊急事態」も解消し、一刻も早く希望者全員のワクチン接種を達成する、という本気の姿勢を見せなければだめだと思います。(全国知事会による緊急提言の中にも「国産ワクチンの速やかな製造販売承認」という文言が盛り込まれています)

 明治維新以降、表面的なところだけ欧米のスタイルを真似した結果、日本はどうなったのか。150年の歴史を検証することなく、エキセントリックな感情論で「欧米でもやっているから」と安易に取り入れることは危険です。移動の自由の制限という最大の権利制限の是非を問うためには、市民革命を経験していない日本において、自由、権利、義務といった民主主義社会における基本原理を私たちはどう考えているのか、政府やマスコミによる扇動に流されることなく、長い時間をかけた議論が必要だと思います。
(例えば、日本では「移動の自由の制限」は犯罪の被疑者に対する逮捕・勾留、有罪判決が下されたものに対する懲役刑・禁固刑、精神病院への措置入院など、限られたケースについてのみ認められています。人に対して「移動の自由の制限」を課すということは、そのくらい慎重に行うべき重大な問題とだという認識が必要かと思います)

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