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投稿日:2021年01月30日

事務局通信~陽性判明者は危ない人なのか

しばらくポカポカとした春の陽気が続いていましたが、昨日の朝くらいから冬らしい寒さが戻ってきました。
徳島でも老人ホーム、専門学校、高校と2週間で3件のクラスターが発生しましたが、少しずつ落ち着きを取り戻してきた感もあります。
様々なハンディを持ったメンバーさんの中には、マスクの着用が難しかったり苦手な方もいますが、ことあるごとに声掛けをしながら着用をお願いし、感染予防に努めています。お茶を飲むためにマスクを下げたり外したりした後、元に戻すのを忘れたり、「息苦しい」「メガネが曇る」との訴えもあり、悩ましいところではありますが…。
 ただメンバーさんや職員で風邪をひく人が、例年に比べて少ないです。感染予防対策の副次的効果と言えるかどうかは分かりませんが…。

 場当たり的な防疫政策や後手に回っている医療改革の失態から国民の目をそらすために、政治家自身の「気の緩み」は棚にあげて、「感染が拡大したのは国民のせい」と国民に責任を丸投げする、新型コロナウィルス関連法の改正案が、来月3日には成立する見通しです。都道府県知事の入院勧告に従わなかった人には50万円以下の過料、保健所の行動歴調査に協力しなかった人には30万円以下の過料、とそれぞれ罰則が科されることになります。
 最前線で奮闘しておられる保健所の職員の皆さんは、今後罰則をちらつかせながら(脅しをかけながら)住民と関わることが可能となります。指導する側にそのつもりがなかったとしても、指導される側の受け取り方は確実に変わり、罰を与える側と罰を受ける側とに分断されます。検査で陽性と判明した人はウィルスを世間にばらまく犯罪者として認識され、差別や誹謗中傷が助長され、検査を受けることに消極的となる方が増える可能性も否定できません。

 陽性判明した方やその勤務先、クラスターが発生した老人ホームや病院の責任者の皆さんが謝罪する様子を目にするたびに、違和感を感じます。陽性と判明することやクラスターが発生することは「不祥事」なのでしょうか。病にかかるだけでも大変なことなのに、追い打ちをかけるように謝罪を求めるというのは、偏った報道によってウィルスの怖さばかりが伝わり、医学的知見がきちんと伝えられていないことにも原因があるように思います。
 勤務先から陰性証明や治癒証明を求められたり、なかなか復職が認められないというケースもあるようですが、「無症状でも他者に感染させる可能性がある」という知見が歪曲された結果、一度陽性と判明した人はいつまでも「コロナをうつすかもしれない危ない人」とされてしまう可能性があります。
 
 実はこの点に関し、厚生労働省から退院基準・解除基準(改定)について明記した文書が、昨年6月に公表・周知されています。

有症状者の場合
① 発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快(解熱剤を使用せずに解熱しており、呼吸器症状が改善傾向である場合)後72時間経過した場合
② 症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ、2回のPCR検査で陰性を確認できた場合

無症状病原体保有者の場合
① 検査日から10日間経過した場合
② 検査日から6日間経過後、24時間以上間隔をあけ2回のPCR検査陰性を確認できた場合

 例えば症状がある人の場合、ここ3日間症状が出ていなければ、最長でも発症から10日後には退院(もしくは療養解除)できます。症状がない人の場合は、検査日から最長でも10日後には退院(もしくは療養解除)できます。これは「他者に感染させる可能性が高いのは発症前の3日間と発症後5日間である」という医学的な知見に基づくものです。退院(もしくは療養解除)した後は他者に感染させる可能性はない、つまり仕事も含め日常活動を再開しても大丈夫と判断されているということです。
 実際、陽性と判明したアナウンサー、芸能人やスポーツ選手の皆さんも、この基準をクリアした後で無事に復帰されており、このようなケースを目にする機会が増えることで、誤解に基づく差別や誹謗中傷が減っていくことを願っています。

(追記)
 なおここであえて「感染した方」ではなく「陽性と判明した方」と表記しているのは、検査は100%確実なものではなく、陽性と判明したからと言って必ずしも感染しているとは限らない(陰性なのに陽性と出てしまう偽陽性の可能性がある)こと、死んだウィルスの断片(つまり他者にうつす可能性はゼロ)でも陽性と出ることがあること、などの理由によります。
 昨年10月、体操の内村航平選手が、日米中露4カ国国際交流大会直前の合宿中にPCR検査で陽性と判定された後、3カ所の病院で検査を受けた結果すべて陰性だったことから、「偽陽性」だったと認定されたことは記憶に新しいかと思います。残念ながら、一般の方に再検査の機会が与えられることはないため、一度陽性と判定されたら覆ることはありません。ぬれぎぬの可能性もある中で罰則規定を設けることは法的に問題とならないのか、ほとんど議論の俎上に上らなかったことは残念です。
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