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投稿日:2020年12月18日

事務局通信~間違いを認める

 GOTOトラベルキャンペーンの年末年始における停止が決定されました。
 昨今の報道を見ていると、キャンペーンの停止を求める新型コロナ対策分科会の尾身茂会長と、キャンペーンの停止になかなか踏み切らない菅首相や小池知事、というイメージを抱きそうですが、必ずしもそうとは言えない面もあります。

 キャンペーンが始まる前は尾身氏も「旅行自体が感染を起こすことはないですから、もしそれが起きていれば日本中は感染者だらけ」と話し、旅行による人の移動に問題はないとの見解でした。
 しかし第3波が始まると、GOTOキャンペーンが「感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しない」とトーンダウンした上で「ステージ3相当の地域は今の感染状況を打開するには『Go To』含めて人の動き、接触を控えるべき時期だ」と述べ、感染が拡大している地域では旅行による人の移動は止めるべきという見解に変わりました。
 これについて尾身氏から「旅行自体が感染を起こすことはないと言ったけれど、それは間違いだった」という釈明のコメントは一切なく、いつのまにかウヤムヤになっています。間違いを認めるというのは難しいのかもしれませんが…

 旅行などで人の移動が増えれば(特に感染が拡大している地域との行き来が増えれば)、ある程度感染は増えます。経済活動と感染拡大抑制というトレードオフの関係を見ながら、どこまで容認できるかという着地点を模索し続けるしかありません。
ただ気温の低下と空気の乾燥によってウィルスが活発化し、換気が不十分となり、室内にこもることが増え、喉が乾燥したり免疫力が低下したり、といった様々な要素が複合的に働く冬の時期は、人の動きが増えなかったとしても感染が拡大する可能性は高いです。だから「季節的要因から考えると、冬はそれ以外の季節に比べて感染が広がりやすいから、その分、人の動きを抑制する必要がある」と説明すればいいものを、「気の緩み」「注意が足りない」といった情緒的な説明をするから訳が分からなくなるのだと思います。

 その意味では、10月からGOTOトラベルの東京除外を解除したことは間違いだったのでしょう。感染の広がりが予想される冬を前にして、あえて人の動きを一段と推進する政策をとるというのは矛盾しています。キャンペーン開始当初から東京も対象に入れて、10月から東京を除外するというのであればまだ分かりますが…。 9月の政権交代後、経済を動かす方に舵を切り、今くらいの感染拡大は想定内、すなわち「ある程度の感染拡大はあるかもしれないが、欧米のような感染爆発には至らず、医療崩壊も起きない」と想定していたが、急激な支持率の低下は想定外だった、ということなのでしょうか。

 新型コロナウィルスのような初めて経験する危機的な状況を前にして大切なことは、間違えないことではなく、間違いに気づいたらそれを認めてすぐに修正することでしょう。民間企業では当たり前に行われている(それができない企業はいずれ淘汰される)ことが、公的な領域ではなかなか難しいのでしょうか。第2次世界大戦で無謀な戦いを始めた上、止めるタイミングが遅れて、2度も原子爆弾を投下された過去の歴史に学ぶことは多いように思います。

 欧米ではすでにワクチン接種が始まっているのに比べ、日本は大きく後れをとっています。日本人の大半がワクチンを接種していない、という状態で東京オリンピックを迎える可能性が濃厚です。1000万人という観客を入れての開催が難しいのはもちろん、延期や中止も視野に入って来るでしょう(世論を捻じ曲げてでも強硬開催する可能性は否定できませんが)。この先さらに1年以上も締めたり緩めたりといった生活を送らなければならないとなると、人の動きを減らすこともさることながら、人の動きを分散する政策も大切ではないかと思います。日本は特定の曜日や期間に休みが集中し、観光地では繁忙期と閑散期が明確に分かれてしまう傾向があるので、例えばGOTOトラベルは期間を1年くらい延長する代わりに、土日、GW、お盆休みなどを含む旅行は対象外にするなど、いろいろな工夫が必要になってくるかもしれません。
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特定非営利活動法人(NPO法人)太陽と緑の会