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投稿日:2020年12月05日

事務局通信~厳罰主義

今年7月に新型コロナウィルス検査で陽性と判明し入院を余儀なくされた方が発症から2週間後「仕事が心配で」病院を抜け出し温泉施設を利用した、ということについて、偽計業務妨害の疑いで逮捕された、との報道がありました。
 今回は「感染を隠して利用し、施設は消毒などの対応に追われた」ことが罪に問われているわけですが、第3波の到来のタイミングでの逮捕に、「勝手に外出したらこうなるぞ」という見せしめの意図も感じられます。

 新型コロナウィルスの感染拡大防止に協力しない市民は処罰すべき、という動きがあちこちで見られます。PCR検査を拒否したり、検査で陽性が判明しているにもかかわらず外出したり、行動履歴調査で虚偽の申告をした場合には処罰するような条例案が検討されています。
 しかしこれでは、陽性判明者はウィルスを公衆にまき散らす犯罪者とみなしているも同然です。取り調べ・事情聴取(濃厚接触者・行動履歴の調査)を受け、刑務所(感染者病棟もしくは宿泊施設)に強制的に隔離収容され、もしくは執行猶予で自宅に軟禁(外出自粛要請という名の外出禁止令)、しかも冤罪(偽陽性)の可能性があっても検証されることはなく、検査や調査に協力しない市民も処罰されるとなると、特別高等警察が活躍した戦中を彷彿させます。
 社会の秩序を乱す危険な人物には行動制限を課してよい、という考えには賛否両論あるかと思います。その是非の前に注意すべきは、「危険」ということを誰がどのような基準で判断するのかということです。先日、香港の民主活動家の3人が禁固刑に課せられたとの報道がありました。彼らは他者に危害を加えたわけでも、人の財産を盗んだわけでもありません。反政府デモを行った、つまり国家にとって危険だと政府が判断した、ということです。

 PCR検査を拒否する人がいるのは、陽性と判明した場合に生じる、行動制限や社会的差別による仕事や生活へのダメージなど、様々な不安が背景にあると思います。感染した場合の重症化リスクに大きな差があるのと同様に、感染拡大防止のための社会経済活動の制限によって受ける生活へのダメージも人によって大きな差があります。どちらのダメージにも、失われる命が存在します。命を守るというのであれば、両方の命を守る必要があるでしょう。検査の義務化を考えるのであれば、差別行為の処罰や生活保障の義務化もセットで考える必要があると思います。

 先の逮捕の件のようなことがあると、「正直者はバカを見る」というメッセージとして伝わる可能性があります。施設側からすれば「利用した」という申告があったばかりに消毒作業に追われ、風評被害を受け、しかも何の補償もない、となると、余計なことをしてくれた、損害賠償を請求したいくらいだ、という恨みつらみが残るだけです。検査を受けて陽性と判明したら大変だ、勤務先、取引先や家族、友人にも迷惑がかかる、体調が悪くても風邪だろうから医療機関を受診しないでおこう、保健所から連絡があっても無視しよう、万一陽性と判明しても行動履歴を正直に申告するのはやめよう、恨まれたりして損害賠償でも請求されたら大変だ、と考える人が増えたとしても不思議ではありません。
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