200772日 (月)

第8回通常総会 代表挨拶

通常総会にあてて    2007年6月16日 
NPO法人太陽と緑の会 代表理事 杉浦 良

 今年ほど試された年は今までにありません。新しい環境に配慮した建物が皆さんのお陰をもちまして完成しました。復活大作戦の事務局として大変お世話になりました、般若院住職宮崎信也さんは「太陽と緑の会は20年間本当に少ない公的助成で障害者の自立支援を中心に『人も物も活かされる街づくり』を実践してきました。厳しいながらも運営資金の約8割を自力で捻出してきたのだから、そのベースである建物さえ復活できれば、後は彼らが何とかします」と支援を訴えてくれました。本当に有難い事です。これは最初から私達の活動を熟知してくれたからこそ、鋭く、洞察力のある言葉ですが、私にとっては大変重い荷物を背負い、はたして歩くことが出来るか?逆に大変不安な1年でした。火事になる前の運営費を捻出できるか?建物も事務所も環境に配慮され新しくなったが、活動は継続できませんでした・・では、支援していただいた5000人を超える皆様に顔向けができません。建物が新しくなり、展示ラックも新しくなるということは、やり方も売り方も作業の流れも、値段付け一つとっても全て新しくなるということでした。幸、事務局長と太陽と緑の会リサイクル作業所所長を兼務してくれている小山君が、マーケティング手法を取り入れ、随分新たな取り組みに挑戦してくれました。「以前より値段が高くなった」とお叱りも頂きましたが、お蔭様で、火事前の運営費の捻出が可能となりました。新たな建物で環境に配慮することとは、エアコン無しで、夏をどうそれなりに過ごせるか?ということです。お金をなるべくかけずに、いろいろ工夫させていただきました。これは木内工務店代表木内昭さんのお陰です。実はこの事が運営費復活の大きな鍵になりました。以前もエアコンは無く、7月8月9月の3ヶ月は売上げが3割ほど減りました。その落ち込みを10月11月12月であくせくしながら取り戻すというものです。「タダで痩せるから有難い」などと有難い言葉を掛けていただいた方々も「地球温暖化の影響か、暑い限度を超えて、ここの2階に上がるとあの世に行きそうだ・・」とこぼされていました。それが昨年度はその落ち込みがなくなりました。以前を知らない方々からは「夏にクーラーが効いていないお店なんて・・」とご意見を頂戴しましたが、小池百合子環境大臣のクールビズと、飯泉徳島県知事の徳島夏のエコスタイルのお陰で、そんな厭味もかわすことが出来ました。鮎喰川からの風が東から西へ通り抜け、屋根の棟の自然換気口から室内の熱い空気が放出され、扇風機を回すだけで、以前から比べれば夏場は天国となりました。また「デパートなどから外に出ると、あのムッとした暑さがたまらないが、ここはそれがないからイイネ!」と23年にして初めて言われました。棟換気瓦屋根工事全てを引き受けていただいた、理事の(有)松村スレート社長松村公三さんにも、暑さ対策に大いに貢献していただきました。近藤洋一理事にも月の宮作業所の土地を安く貸していただいているばかりか、これからの職員スタッフのあり方を、主婦や定年退職者といった幅の広いエリアで考えていく必要性など、組織経営論からのご指摘を受けて、現在そのように幅を持たせる事で、この1年を遣り繰りするようになりました。最後に理事であり太陽と緑の会月の宮作業所所長の櫛田さんには、今までの自動車関連会社課長職をなげうって、自転車修理から農作業養鶏までを受け持っていただいたことで、私の自転車修理という荷物を預ける事が出来ました。リサイクル作業所、月の宮作業所の設備、メインテナンスにも力を発揮していただき、本当に助かっています。これからは、運営費の捻出と同時に作業内容の充実や、様々なハンディーを持ったメンバー達へのアプローチと関係の深化、それによるその人なりの自立支援に繋がるような、ソーシャルアクションを展開できればと考えます。そのためには一般市民の方々の期待になるべく応えられるリユース・リサイクル活動の充実と広がりが必要なのは言うまでもありません。また私達太陽と緑の会さえ発展できればというのではなく、県内の作業所連絡協議会の事務局としてそれぞれの作業所が力をつけ、個性的であることを支援し、徳島県全体の障害者福祉の底上げを図ることが必要です。限界はありますが、本当に大変なメンバー達に目を向けることをせずに、社会福祉を語ることはやめにしたいと考えます。そのことこそ太陽と緑の会創立者である、近藤文雄のスピリットだと思います。これで今総会の初めの言葉とします