2007423日 (月)

事務局通信 その11 平成19年4月24日

火災により全焼した事務局・作業所兼店舗の建物が再建して一年を迎えることができました。これも、不用品を提供して下さった方、リユース品を再利用して下さった方、再建後も寄付・会費という形で資金面のサポートを続けて下さった方、皆様方のご支援のおかげです。
 当会は運営費のうち公的資金による収入が13.7パーセント、寄付金・会費・民間助成が6.6パーセントであり、残りの約8割は自主事業、すなわち不用品のリユース事業による収入で支えています。
 建物再建後の一年は、新しい事業スタイルの確立にウェイトを置きました。事業を軌道に乗せ、事業収入を捻出するために、火災前の従来のやり方を払拭し、民間企業の手法や考え方も一部に取り入れ、試行錯誤を続けてきました。NPO事業に効率性という考え方はなじまないのでは、という見方もありますが、市民や行政・企業の協力によって得られた運営費は、無駄なく効率的に使い、より多くの成果を上げていくことが重要だと思います。
 昨年10月に本格的に動き始めた障害者自立支援法により、障害者福祉の世界もダイナミックに変わろうとしています。当会は、太陽と緑の会リサイクル作業所、太陽と緑の会月の宮作業所という2箇所の障害者地域共同作業所を運営しておりました。しかし新法の施行に伴い、地域活動支援センターに移行すれば公的資金はほぼ現状維持、移行しなければトータルで減額ということになったため、リサイクル作業所についてはセンターへ移行しました。
 障害者福祉という側面から見れば、当会のように公的資金に依存せず自前で資金をたたき出していくという運営方法は、ある意味イバラの道とも言えます。経営は不安定で、財政も脆弱、いつつぶれてもおかしくはありません。職員の待遇も劣悪で30代正職員の給与が高卒初任給水準よりも低く、人並みの暮らしを捨て家族を犠牲にする覚悟がなければ、とても勤まらない仕事です。
 徳島県内の作業所職員の多くが主婦もしくは定年退職して年金生活をされている方であり、若手の職員が極めて少ないという現実の背景にも、職員の生計が成り立たないという問題があります。
 ではなぜあえてイバラの道を進むのかと言えば、修行僧のごとく好き好んで苦難の道を歩みたい、ということではなく、ハンディをもったメンバーにとって大切なことは何かという原点に立つと、イバラの道しか残っていないのです。
 公的資金による安定した運営を目指すのであれば、個別給付事業への移行という道があります。しかし、行政や法律による縛りは厳しくなり、機動的で柔軟な運営は難しくなってくるかもしれません。またこれまで作業所を支えてきた一般市民の方々との関係も変わってくるでしょう。理事構成や所長を初めとする職員体制も一新され、まったく別の施設に変貌してしまう可能性もあります。
 障害者地域福祉における運動性と事業性のバランスは、本当に難しいです。