2006128日 (金)

宿泊研修in香川 報告

 11月27日、28日の2日間に渡り、香川県において、太陽と緑の会リサイクル作業所、太陽と緑の会月の宮作業所合同で宿泊研修を行いました。当該研修は、障害者の自立と社会参加を図る活動として、財団法人徳島県福祉基金からの助成金22万円に自己資金を合わせ実施致しましたメンバー、スタッフ、ボランティア、計32名が参加しました。
 今回の研修では、平成元年11月より17年間に渡り活動している「共同作業所コスモスの家」(香川県丸亀市綾歌町岡田下545-4)を見学しました。無添加パン・洋菓子の製造販売、珈琲豆・珍味・かつおぶし・煮干の販売などに取り組んでおり、精神障害の方を中心とした小規模作業所です。当会と同じくNPO法人が運営しており、この10月より地域活動支援センターに移行しました。 
 宿泊先は2箇所の候補先から、当会で働く様々なハンディを持ったメンバー、スタッフ、ボランティア全員参加による投票により、塩江温泉樺川荘(香川県高松市塩江町)に決定しました。
11月27日午前9時、太陽と緑の会リサイクル作業所に集合。午前中は店も開け、通常通り作業を行いました。手づくりのおにぎりとみそ汁で昼食をとり、午後1時、樺川荘の送迎バスと、緊急時移動用の当会ワゴン車の2台に分乗し、樺川荘へ向かいました。天候は曇り時々雨。
 午後3時半、樺川荘に到着。2年前にもお世話になったところで、そのときはウガンダからの研修生のアロイさんによる太鼓の演奏でおおいに盛り上がりました。
 到着後は、温泉につかる人、近くを散策する人、お土産を探す人、テレビを見る人など、思い思いの時間を過ごしました。午後6時に夕食。メンバー、ボランティアが一言ずつ挨拶を行い、市民の皆様方のご支援により建物が再建し何とかここまできたことを、改めて感謝の気持ちで振り返りました。旅に不慣れな面々が多い中で、支配人さんをはじめ、旅館の皆様がいろいろとご配慮下さったおかげで、格安の料金で楽しい一夜を過ごすことができました。
 11月28日午前7時半朝食。午前9時半、送迎バスとワゴン車で樺川荘を出発。天候は曇り時々晴れ。午前10時半、共同作業所コスモスの家に到着。事務局長の平田さんと所長の竹内さんより、作業所創設の経緯や現状についてお聞きしました。
 見学終了後、四国霊場第88番札所大窪寺前のうどん屋さんで昼食をとり、午後3時半太陽と緑の会リサイクル作業所到着、解散。
 今回の見学では、「福祉の制度の枠に収まりきらない人たちを、制度福祉の枠組みとは違うやり方でサポートしていきたい」という思いを実践する中で「福祉と経営の両立」の問題に直面し、経営という側面の強化が課題になっていることが伺えました。
 冷凍パンを使用せず、小麦、卵など材料のひとつひとつにこだわりを持ったパンの製造についても、メンバーさんをフォローアップし、からませていく一方で、品揃えや価格設定も含め、いかに販売し収益につなげていくか、という問題もあります。
 今年の9月から本格的に動き始めた障害者自立支援法の影響も大きく、国庫補助が4月から9月までゼロになったため、スタッフ、メンバーの給料を1割カットしたり、市外からの通所メンバーに対する扱いを巡って行政サイドと交渉した、とのことでした。 
 運動性と事業性の両立は、当会にとっても大きな課題であり、当会の今後の運営を考えていく上でも大変参考になりました。障害者福祉という分野においても、事業として成り立たせるためにはマネジメントが重要であることを改めて感じました。当会で働く様々なハンディを持つメンバーも、コスモスの家のメンバーさんについての話、竹内さんがここで働く中で大切にしている思い、などそれぞれ感じるところがあったようです。
 コスモスの家は、17名のメンバーさんのうち15名が精神障害の方で、特に秋に調子を崩される方が多く、この日もかなりのメンバーさんが休まれているようでした。人手が少なくてお忙しい中、大人数でお伺いしたにも関わらず、貴重なお話しを頂戴し、本当にありがたいことと思います。今後のご活躍とご発展を願っています。