200699日 (土)

事務局通信 その3

 4年前から始まり毎年恒例となった地元国府中学校3年生の体験実習が、今年も無事終わりました。これまではたいてい2、3名の参加だったのですが、今回は女性8名の参加となり、にぎやかな実習となりました。「やっぱり、建物がきれいになったせいやろか」といった声もちらほら聞こえる中、メンバーの方は皆緊張して落ち着きがありません。ふだんは、来たり来なかったりのメンバーのAさんも、この実習の日付はきちんと覚えていて、朝早くから来ています。隣に座って、いろいろ話をしたいのだけど、そのタイミングがつかめないようです。「ここ座ったら?」と丸イスを引っ張り出すと、苦笑いしながら座り、朝ミーティングが始まりました。
 自己紹介、今日の予定の確認と注意事項の伝達が終わると、各パートに分かれての作業になります。8人の中学生も、小型トラックに乗って不用品の引き取りに行く仕事、頂いた品物を仕分けする仕事、選別したリユース品の洗浄・磨き・値札付け・陳列、レジの補助などの仕事、古新聞、古雑誌などの古紙をトラックに積み込み、業者さんの所へ搬入する仕事など、メンバー、スタッフ、ボランティアと一緒にやって頂きました。
 どこに何を置いたらいいのか、中学生がとまどっていると、メンバーのBさんがさっと気づいて「これはこっちに置くんだよ」と教えている姿がありました。日頃はスタッフに頼ることが多い彼女も、この日は頼れる姉貴になっていて、自分の仕事に誇りを持てることの素晴らしさを改めて感じました。
またCさんは、中学生の子が重たい荷物を運ぶのに苦労していると、「俺が持つよ」と言って受け取り、「おっちゃんも重いわ〜」とぼそっとつぶやきながら運んでいました。女性スタッフの木村さんがこれを見て、「何よ、私が頼むと、知らん顔しているのに…」とぼやいていました。まぁ、そんなものです。
いつもは所かまわずおならをするDさんも、この2日間は予想通りピタリと鳴りやみました。「がまんしてた?」「トイレに行ってしました」
 国府中学校では、国府養護学校が近くにあることもあって、交流もあるようですが、実際にいわゆるハンディを持った人と一緒に働くというのは、彼女たちにとって初めての経験だったと思います。当会の作業所では同養護学校の卒業生も働いていますが、「障害者」ということではなく、おっちゃん、おばちゃん、お兄さん、お姉さんとして、中学生の皆さんの心の片隅に残ってくれたら、と思います。ノーマライゼーションという言葉の定着とは裏腹に、様々なハンディを持った人が身近にいない、いても見えない、という現実はあまり変わっていません。
 「なぜ身近にいないの?」「そもそもハンディって何? 誰が決めるの?」
皆さんはどう思いますか。