200567日 (火)

近況報告6月7日

 6月1日から全焼した建物の取り壊しが始まり、4日には完了しました。
 建物を眺めていると、私がここに来て11年の間に起こった様々な場面が走馬灯のごとく駆け巡ってきます。
 11年前、事務室の入り口はアコーディオンカーテンでした。もちろんクーラーはなく、扇風機の風で飛びそうになる書類に重しをのせ、固く絞ったタオルを首と頭に巻いて事務仕事をしていました。コピー機は拡大・縮小ができなかったので、機関誌にメンバーのイラストを載せるために縮小コピーが必要になると、1.5キロ先の書店にある1枚10円のコピー機のお世話になりました。印刷は回収で入った輪転機と印刷機を代表の杉浦が手直ししながら使っており、機関誌の印刷は順調に行って1日仕事、機械の調子が悪いと2日かかりました。食堂には天井がなく、2階の売場を子供が走ると大きな音とともに埃が落ちてきました。売場はどこが通路か分からないほどリサイクル品で埋め尽くされ、一般市民の方は掘り出し物を、文字通り掘り出すように探していました。床はキズだらけのコンパネ、壁は所々ボロボロとはがれている石膏ボード、見上げればむき出しの鉄骨に埃が1センチくらい積もっていました。別棟の倉庫は借り始めたばかりで、2階は何もなくがらんとしていて、1階も家具が我が物顔でゆったりと陳列されていました。
 いろいろなメンバー、スタッフがここで活動を始め、去っていきました。生きるとは何か、働くとは、家族とは、幸せとは。幾度となく脳裏をかすめてきました。最初は荒れていたメンバーがダイナミックに変化していくその瞬間を垣間見ることができた幸運が、私の中で澱のように積もっていた何かを突き崩してくれたような気がします。
 今回の火災によって、存在することが当たり前となっていたものを失ったことで、改めて、太陽と緑の会にとって何が大切なのか、何のための活動なのか、何ができるのか、ということを考えました。
 この吹けば飛ぶような小さな団体が、活動拠点の全焼という致命的なアクシデントにも関わらず、再建に向けて活動を行うことができるのも、ご支援下さっている皆様方のおかげです。
 再建したい、必ず再建しなければ、との思いを強くする、今日この頃です。(文責・小山)