最新情報 11月18日

公開座談会開催

 11月16日、午後3時〜5時 公開座談会「徳島の今後の地域福祉を考える」(主催:徳島県障害者地域共同作業所連絡協議会)が徳島市内(徳島県教育会館大ホール)で開催され、福祉関係者ら約130名が参加しました。
 太陽と緑の会からは代表の杉浦が事前の準備作業に関わった他、座談会当日はスタッフ及び一年間ボランティア8名が事務局スタッフとして運営の裏方等を支えました。また当会作業所のメンバーも11名が参加しました。徳島県における障害者地域共同作業所の歴史及び現状、養護学校卒業後や親亡き後の問題、グループホーム制度、小規模通所授産施設制度の問題点など、短い時間ではありましたが、凝縮した議論ができたかと思います。 

(1)開催趣旨
「ライフステージのすべての段階において全人間的復権をめざすリハビリテーションの理念」と「障害者が障害のないものと同等に生活し、活動する社会をめざすノーマライゼ−ションの理念」を掲げて、障害者プラン〜ノーマライゼーション7ケ年戦略は1996年から始まりました。
施設サービス、在宅サービスなど、数値においてほぼ目標通りの成果を達成しているといわれています。知的障害者入所更生施設や知的障害者グループホームの整備目標値を達成したことにより、たとえば施設の入所希望待機者がなくなり、満足の出来る福祉状況になったのかといえば、なかなかそうではありません。各都道府県からは入所施設を望む声が多く、待機者も8千人とも1万人とも言われている現状が根底にあります。
ノーマライゼーションの理念に基づく福祉先進諸国では、「知的」「精神」「身体」の各障害者の施設、病院入所者数の割合は、1970年頃から徐々に減少し、10分の1ほどに減らした国もあります。当然ながら施設入所者の減少は、地域で暮らす様々なハンディーを持つ方々の増加につながり、地域で暮らせる様々なサービスが整うことで、このことが成し遂げられる訳です。施設入所型の分離型福祉から地域支援を中心とした地域共生型福祉への移行と言われるスタイルです。
地域で暮らすための多様なサービスの創出は、ある意味で地域の活性化にもつながります。このような福祉のあり方に一筋の希望を見いだす方も多い訳ですが、残念ながら現在の日本では、このような方向に積極的に向かっているとは言い難い現実があります。知的障害者福祉法で「指導や訓練によって更生あるいは自活させる」という目標がありながらも、生涯、施設生活をおくる方の多さは、日本の厳しい現実を物語ります。
バブル経済が破綻して、聖域なき構造改革が叫ばれる中、『福祉』と言えどもその中身と費用対効果が当然ながら求められる情勢になってきました。このような状況下で、それぞれの地域にあった『福祉』のあり方を模索し、どのような『福祉』がこの徳島県で必要なのかを考える時期にさしかかったように考えます。
今年2月に徳島県で初めて開催された第5回全国障害者地域共同作業所研修集会−えらいやっちゃ作業所、夢つくらなそんそん−のなかで様々な意見が出されました。これらの意見をまとめ、意味あるものにするためにも、『徳島の今後の地域福祉を考える』をテーマに、日浅哲仁徳島県保健福祉部障害福祉課長を交えて公開座談会を開催し、今後の徳島の地域福祉の発展と充実を考えていきたいと考えます。

(2)内容
2:30 受付開始(司会 地域共同作業所「すぎの子作業所」所長 樋口 緑)
3:00 開会の辞(開会挨拶・徳島県知事祝辞・オリエンテーション)
3:20 基調講演−データーから見る徳島県の障害者福祉の現状について− 松岡克尚 (四国学院大学社会福祉学科助教授)
3:40 意見発表(座長 ハートランド代表 山下 安寿)
「徳島県障害者地域共同作業所の『過去』と『現在』と『今後』について」
*県内の障害者地域共同作業所からの発表
NPO法人 太陽と緑の会 代表 杉浦 良
      「養護学校卒業後の50年をどう考えるか」
*保護者からの発表
障害者地域共同作業所「きのこハウス」所長 横田 弘一
     「徳島県の今後の地域福祉をどう考えるか」
*徳島県保健福祉部障害福祉課 課長 日浅哲仁
      「徳島県の今後の地域福祉についての提案」
障害者地域共同作業所「あすなろ作業所」所長 山崎 秀
(徳島県障害者地域共同作業所連絡協議会会長)
4:20 質疑応答
*会場から
4:45 まとめ
*松岡克尚(四国学院大学社会福祉学科助教授)
4:55 閉会の辞
5:00 終了
大会事務局
徳島県障害者地域共同作業所連絡協議会事務局
特定非営利活動法人(NPO法人)太陽と緑の会 杉浦良