最新情報 11月10日

リサイクル日記30

サービスはタダじゃない

 ここ数年、セルフ方式のガソリンスタンドが増えてきました。「雇用の場が減る」と懸念する声もありますが、私はこの流れは、日本の消費者のあり方を問い直す意味ではとても意味のあるものだと思っています。
 セルフ方式の普及が意味するものは2点あります。第一点は消費者にサービス選択の余地が出来たということです。従来のガソリンスタンドは、消費者が望む望まないに関わらず、タバコの吸殻捨て、窓ふきなどのサービスを行い、そのコストをガソリン代に上乗せすることで消費者に負担させてきました。今後は、多少のコストを払ってでもサービスを買う、もしくは、サービスは買わず、その分ガソリン代を安くしてもらう、という選択が可能になりました。
 第二点は、このような消費行動を通じて「サービスにはコストがかかる」ことを再認識できる、ということです。そのサービスは自分にとって本当に必要かどうか、再検討するよい機会でもあります。
小売店の場合、「いらっしゃいませ」の挨拶1回100円、商品説明1分100円、といった具合にコストがかかっていると言われます。これは人件費です。その他、きれいな内装、照明、店内の冷暖房、3〜5年間の製品保証など、すべてのコストは商品価格に上乗せされています。
 パソコンなどのダイレクト販売が安いのは、こうしたサービスや店舗設備のコストが不要だからです。証券会社のインターネット取引(ホームトレード)の手数料が安いのも同様の理由からです。
 最近は、配送料を有料にする小売店が増えてきました。セッティング作業を有料で行うパソコンショップも増えています。NTTの番号案内サービスも1回60円〜150円徴収するようになっています。これまで無料で行っていたものを有料化するようになった背景には、価格競争の激化に伴ない商品価格が下落し、サービスのコストが賄えなくなったことがあります。