最新情報 11月10日

リサイクル日記29

 11月に入り、徳島も一気に冷え込んできました。10月が異常なくらい暖かかったので、ストーブや石油ファンヒーターのチェック・修理を担当している三木さんが「ストーブが出んなぁ」とぼやいておりましたが、ここに来て、暖房器具を探しに来られる一般市民の方が増えてきました。もちろん値段を安くしているということも大きく、手間ひまかけて整備した石油ストーブでも「800円」「1500円」といった価格にしないと再利用して頂けない現実があります。
 各家庭を回って不用品を回収してきたトラックが帰ってきました。伊藤さんと大和さんという親子ほどの年齢差のあるゴールデン(?)コンビがトラックから下りてきました。今日は徳島市の北部から西部、南部と10件のお宅を訪問し、2トントラック1杯分の不用品を頂いてきました。
 メンバーの岡本さん、工藤君、走川君が集まってきます。岡本さんは15年目のベテランで、準スタッフ的な存在です。他のメンバーにてきぱきと指示を出していきます。
 工藤君は県内の法定通所施設から実習生としてリサイクル作業所に来ていましたが、今年の4月よりリサイクル作業所の正式なメンバーとなりました。通所日数が増えたこともあって、衣料品の選別作業に関わるようになり、短期間で選別部門の主力にまで成長しています。作業を他のメンバーからも評価され、給料も2倍に上がったこともあってか、少しずつ自信もついてきたようです。「食堂の方は今忙しくないか」「自分がここを離れてしまうとこちらに誰もいない状態になるので、今ここを離れるわけにはいかない」と全体の様子にも気を配ってくれています。
 品物がトラックから下ろされ、次々と食堂に運ばれていきます。家具、寝具、衣料品については家具・衣料品売場兼倉庫の方へ運びます。食堂に集まった回収品を喜彦さんがテーブルの上に並べ、三木さんが値段をつけていきます。小倉君が小物をビニール袋に入れています。富開君がカーテンの寸法を計り、カードに書いて袋づめしたカーテンにつけていきます。こうして店内に陳列できる状態になったものをかごに入れて、メンバーが陳列していきます。食器は食器のコーナーへ、文具は文具のコーナーへ、ちょっと程度のいい物はレジ前のコーナーへ、といった感じです。
 レジではスタッフの加藤さんが会計をしており、忙しいときにはメンバーの岡田さんが買った品物を買い物袋に入れる作業などのサポートに入る時もあります。
 家具・衣料品コーナーでは主にメンバーの名田さんがレジを担当しており、数藤さんがお客さんの対応にあたります。一度に4、5点購入される方もおられて、そういう場合は数藤さんも慌しくなります。1年間ボランティアの樋詰君やスタッフの白石さんがサポートに入ることもあります。
 衣料品コーナーでは県内の法定入所施設からの実習生の田中さん、天満さんが衣料品をハンガーにかけてラックにつるしたり、市民の方が買われて空になったハンガーを集めたりしています。
 2階で回収品の本を棚に入れ終えた米田君が、「下の方はいけるんえ?(大丈夫?)」と確認してきます。「大丈夫だよ」と誰かの声。
 にぎやかにしていると繁盛しているように見えますが、リサイクル品の単価が安いこともあって、運営状況は厳しいです。スタッフの給料を少なくし、無償ボランティアの方々から多大なサポートを受け、何とか運営が成り立っています。お金を儲けようと思ったら、@高く売れるものだけ買い取って、それ以外の不用品は引き取りを断る、A不用品を有料で引き取り、売れるものは売っていく、という方法をとる必要があるのかもしれませんが、そうすると、「少しでも多くの不用品を活かしていきたい」「リサイクル作業を通じてハンディを持つメンバーの力を活かしていきたい」という当会の趣旨とはずれてしまいます。
 一般市民の方々による当会への不用品の提供は、当会の活動に対する「サポート」の一つです。だから「無償提供」なのです。