最新情報 10月8日

NPO法人の認証数は都道府県格差が大きい

 内閣府の発表によれば、平成13年9月28日現在、都道府県より認証されたNPO法人は4525法人あります(他に内閣府より認証された法人が441法人あります)。そのうち徳島県が認証したNPO法人は12法人です。
 NPO法人の認証状況は各都道府県によってかなり異なります。さきの内閣府発表のデータ及び平成12年度国勢調査をもとに各都道府県の認証数を人口10万人当たりで見ると(当会の試算による)、最も多いのは東京都で8.96、最も少ないのは富山県で1.34、徳島県は1.46で全国で44番目(四国4県の中では最下位)、全国平均は3.57となっています。
 「やはり大都市圏はこういった活動が盛んだから」という声も聞かれますが、必ずしもそうとは言えません。
 例えば、人口10万人当たりの各都道府県の認証数を見ると、確かに東京、京都(2位)、大阪(5位)、神奈川(11位)といった所が上位に入ってはいますが、三重(3位)、群馬(4位)、北海道(6位)、静岡(7位)、栃木(8位)、宮城(9位)、高知(10位)なども認証数が多いです。逆に、兵庫(23位)、千葉(34位)、愛知(43位)、埼玉(45位)などは認証数が少ない、という結果になっています。
 同じ四国でも格差があり、例えば徳島県と高知県は地理的にも近く、人口もほぼ同じくらいですが、認証数は徳島の12法人に対し、高知は32法人となっています。
 一概には言えませんが、NPO法人の認証数が多い所は、首長(知事)や行政が市民によるNPO活動を積極的にサポートしている所が多いようです。例えば、各都道府県のホームページでNPOがどのように扱われているかを見ると、歴然とした違いがあります。
 三重県では「NPO室」という専門の部署を設け、スタッフ体制も充実させており、NPOや市民活動に関する情報誌を週刊及び月刊で発行するなど情報提供やPR活動も積極的に行っている他、ボランティア活動や市民活動を行う県民のために「市民活動センター」を設けています。これは知事のNPO活動に対する姿勢によるところも大きく、人口当たりの認証数が第3位となっているのもうなずけるところです。その他、NPO法人の申請書類様式をダウンロードできるようにしている所(静岡、高知、群馬、北海道など)もあります。
 徳島県の場合、NPOの担当部署が、最初は「環境生活部環境政策課」、次に「環境生活部生活文化国際総室」、今年度からは「県民環境部県民環境政策課県民との協働事業推進チーム」と、毎年のように変わり、担当者もその都度変わったため、かなり混乱をきたしました。「本県(徳島県) NPO法人数 全国で最下位」(平成12年12月28日付徳島新聞。当時の徳島県の認証数はわずか8法人。)と報道された頃から、ようやく行政サイドにも動きが見られるようになりました。今後徳島県としてNPO活動をどのように位置付けているのかを明確に示すとともに、NPO活動の育成策を具体的に出していく必要があります。同時に、NPO団体側も相互に連携をとり、今後どのような形で行政や市民とパートナーシップを築いていく必要があるのか、提示していくことが大切です。
 NPO団体は現場の声とビジョンを伝える努力を、行政はそれに耳を傾け行動に移す努力を続けることが、今後必要となってくると思います。