最新情報 9月16日

リサイクル日記・その22

木を見て森を見ず

先日「認定NPO法人制度」の説明会に出席して来ました。徳島県内のNPO法人(12法人)及び現在認証申請中の6団体から約25人が出席、認定NPO法人制度及び法人住民税についての説明がなされました。県内のNPO法人の方が一同に集まるのは初めてのことであり、その意味ではとても有意義な集まりだったと思います。
 徳島県の税務課及び高松の国税局から3名の方が説明に来られていましたが、「市民の寄付文化や民間の非営利活動を育てていく」という思いは感じられませんでした。認定NPO法人となるための要件の中には民間非営利団体の活動実態を無視しているものもあり、実際に認定を受けることの出来る団体は数えるほどしかないように思いました。
質疑応答の時に、ある非営利団体の方から「子供たちを対象に環境教育などを目的とした講座を開いているのだが、会場費や資料代などの実費を参加費として徴収する場合、どうなるのか」という質問が出ました。
 これに対し、国税局の担当者は「講座の実費徴収は、それが特定非営利活動に関わる事業であっても、(税法上の)収益事業に該当する可能性がある」と言われました。実費の徴収であっても「有償」であれば収益事業になる可能性が高いのが現実です。
 運営費を捻出するためにバザーなどを定期的に行う、という活動も収益事業とみなされます。
 税法上の収益事業とみなされると、法人税課税の対象となり、事業収支が赤字であっても、法人県民税及び法人市民税(徳島市の場合、年間8万円)を納める必要があります。
 「徳島県でもNPO法人は法人県民税が免除される」と新聞等で報道されたこともありますが、これはあくまでも税法上の収益事業を行っていない場合に限られ、多くのNPO法人は法人税課税の対象となります。「法人県民税・市民税は行政サービスの利用に対する対価である」という意見もありますが、むしろ「金儲けのためにやっているわけではないのに、なぜ税金を払う必要があるのか」というのが正直な気持ちだと思います。
 ある程度の規模の活動を行おうとすると、有給の専任スタッフが必要となってきますが、その場合、源泉徴収を行うことが必要となります。
 太陽と緑の会はすでに平成8年度から「人格なき社団」として法人住民税を納付しており、平成12年度はNPO法人として納付しました。税務署への申告及び職員の源泉徴収書類作成については税理士の方にお願いしており、顧問報酬及び書類作成費用を年間約20万円お支払しています。
 問題は、私達が「民間非営利活動」というものをどのように捉えていくのか、どのような社会にしたいと考えるのか、ということにあります。
 今まで通り、お上(行政)にすべてお任せでいくというのもひとつの考え方です。その場合、行政・特殊法人等の非効率性が温存され、財政赤字はますます膨らみ、消費税の税率がかなり上がることを覚悟する必要はあります。
 逆に、行政よりも民間非営利団体に委ねた方がよいと思われるものは積極的に移行させ、住民サービスの向上と財政コストの削減を行う方がよいとするのであれば、民間非営利活動の育成策を具体的に決め、実行していく必要があります。
 先の参院選で小泉首相は多数の国民から支持を受けました。これは、今の社会を変える必要があると思っている方がかなりおられる、ということです。「NPO法人を雇用の受け皿に」という声も上がっていますが、支援策が皆無に近い現状では非現実的な話だと思います(小山)。