最新情報 7月17日

リサイクル日記・その21

「クサいもの」は地方へ

 前回電力の問題を取り上げました。電力の大消費地である東京は、他の都道府県から電力を大量に送ってもらうことで成り立っています。危険な原子力発電所が東京都に作られることは決してありません。これはもちろん立地条件を満たさないためでもあるのですが、結果的には「クサいもの」を地方へ送っていることになります。
 もちろんその代償として、東京都民から国を経由してこれらの地方へ「交付金」という形でお金が流れているので、お金を払って自らの便利と安全を買っているとも言えるでしょう。
 こうした構図は、ごみ問題についても見られます。大都市で発生した一般廃棄物や産業廃棄物が地方の山や海などに捨てられたりしています。
 問題は、クサいものにふたをしてしまった結果、自分達の問題として捉えにくくなってしまったことにあります。節電をしなければ自分の住む町に原子力発電所が作られる、使い捨て商品の購入を続ければ一般廃棄物の最終処分場が自分の家の隣に作られる、となれば誰でも節電、資源保護、太陽光発電やリサイクルの推進などを真剣に考えるはずです。
 例えば、放射性廃棄物の保管場を東京都庁の隣に作ったり、代々木公園をつぶして産業廃棄物処理場を作ったり、東京ディズニーランドの隣に原子力発電所を作ったりすれば、多少効果があるでしょう。もちろんこれは極端な例えですが、自分に被害が及ぶことが明らかにならない限り、なかなか人は動きません。自分には関係ないからです。
 自分達が使う電気であり、自分達が捨てるゴミです。自分達の住む町で発電し、ゴミを捨てるのが本来のあり方ではないかと思います。今回は首都圏、とりわけ東京を例にあげましたが、決して東京だけの問題ではありません。