最新情報 5月22日

リサイクル日記・その17

自由って何?

「施設には自由がないけど、ここ(太陽と緑の会リサイクル)は自由があるから、ええわ」メンバーのAさんが言います。
「自由って言っても、好き勝手にやっていい、ってこととちゃうで(違うよ)」と私。
「それは分かっとる。」
「例えば、月の宮の共同生活棟ではメンバー4人が共同生活しとるやろ」
「うん」
「確かに、施設と違って、休みの日に外出できるし、門現もないし、夕食のメニューだって決められる。お風呂も入りたい日に入れるし、朝起きる時間も夜寝る時間も自分で決められる。コーヒーも好きなときに飲める。だから、そういう意味では「自由」かもしれないけど、最低限守る必要のあるルールというものはあるよ」
「そうか」
「特に月の宮は共同生活だから、共同生活のルールってものがあるよ。例えば夜音楽を聴くのは自由だ、と言って、夜中の3時に大きな音でラジオをつけていたらいかんやろ?」
「それはそうや」
「洗濯がしたいから、といって洗濯機を一人で全部占領したらいかんわな」
「うん」
「みんなのために買ったコーヒーを、みんなのことを考えんと一人で全部飲んでしまったら、みんな怒るよね」
「そらそうや」
「月の宮は施設と違って「先生」も「給食のおばさん」も「掃除のおじさん」もおらんから、ゴミの処理、掃除、食事作りなどみんなで分担してせんとあかんのよ。リサイクル作業所での作業が終わって、夜7時くらいに月の宮に帰って、そういったことをやるんよ」
「大変やなぁ」
「もちろんできること、できないこと、得意なこと、苦手なこと、それぞれあるから、うまく分担して、お互いできることをやって補い合っていけばええんよ」
「そうか」
「家に帰ったら、ごはんができていて、掃除・洗濯もしてあって、というのは当たり前ではないんよ」
「そうやな」
「自分達でできることをやっているから「自由」があるわけで、できることを何もせんと「自由」だけ欲しい言うても、それは通らんわ。「自由」っていいことばかりではないんよ」
 自由とは、「自分が決めて行動に移したことに対してどれだけ責任が持てるか」ということに尽きるように思います。「障害者だから何も分からないし、何もできない」と決めつける側と、「責任をとらなくていい」という所に甘んじてしまっている側と、双方に問題があるので、なかなか複雑です。