最新情報 5月6日

リサイクル日記・その13

 毎月恒例の給料ミーティングが終わると、どのメンバーも「給料はいつもらえるのだろうか」と気になってきます。頼まれた仕事を忘れることはあっても、給料のことは絶対忘れません。
 専任の事務職員がいない(公的支援がわずかなため雇う余裕がありません)当会の作業所では、職員が日常業務の合い間を縫って給料計算や明細書作成を行います。日常業務終了後、夜遅くまでかかってやることも珍しくありません。
 「加藤さん、給料下さい」「ごめん、まだできとらんわ」
 このため、こんなやりとりが何回も繰り返されます。言葉には出さずに目で訴えてくるメンバーもいます。いつもは軽くさよならを言って帰るのに、その日に限ってわざわざ目の前まで来て「さよなら」と言ってくることもあります。
 太陽と緑の会リサイクル作業所では、メンバーに給料袋を渡すとき、給料明細書にサインをしてもらい、その写しを本人に渡しています。
 給料明細書は縦7センチ、横21センチの紙片で、上に「給料明細書」(ふりがなつき)という文字が大きく書いてあり、日付、氏名、作業所の名称、住所、電話番号が書いてあります。真ん中には給料の額と明細が書いてあり、一番下に「受領印又はサイン」の欄があります。
 給料を渡せる状態になるとメンバーを呼びます。いつもは呼んでもなかなか来てくれないメンバーも、この時ばかりはすぐに来ます。呼んでない人まで来ます。
「はい、これが今月のお給料です。ここにサインをお願いします。」
 明細書にサインをします。一人一人皆違います。苗字だけ書く人、フルネームで書く人、漢字で書く人、ひらがなで書く人、苗字を丸で囲み、はんこのように書く人、ぼ印を押してメッセージを一言残していく人、など様々です。
 サインが終わると給料袋を渡します。
「お疲れ様でした。落とさないように気をつけて」
 こうして次の1ヶ月が始まります。