最新情報 3月15日

知られていない障害者福祉 その5

D作業所は最後の砦

 こうして施設から追い出されてしまった、より多くのフォローを必要とするメンバー(障害者)が小規模作業所に通うようになる、ということはよくあります。9分の1の助成金しか頂けず、9分の1のフォロー体制しか作れない作業所が、そのようなメンバーを引き受けるということは並大抵のことではありません。職員は自分の家庭が崩壊寸前になることを覚悟するか、受け入れを断るかの選択を迫られます。
 職員としては、このメンバーがここで引っかからなければ、自宅待機するしかないことが分かっていますから、かなり悩みます。かなり状況が厳しいメンバーの場合、すでに家族は限界に来ているか、もしくは完全な放任状態にある、といったケースが多く、このままではいずれ精神病院、救護施設といった施設に行くしかなく、それもダメなら野垂れ死にするほかはない、という現実が待っています。
 本来、このようなメンバーこそ手厚いフォローが可能な法定通所施設に通い、自立への道を見つけてくれたら、と思うのですが、楽をしたい職員にとっては面倒なだけであり、メンバーの方もそのような職員を心のどこかで軽蔑しているのです。