最新情報 2月6日

釜ヶ崎からの報告・その3

B 釜ヶ崎及びその周辺から大阪市全域に拡散

 3年前に比べて最も大きな変化の一つに、野宿されている方が釜ヶ崎及びその周辺から大阪市全域に拡散している、ということが挙げられます。釜ヶ崎及びその周辺だけを見ていると、野宿されている方がそれほど増えていない、むしろ場所によっては減っています(それでも今回の夜回り活動エリアで少なくとも1146人の方が野宿されているのを確認しています)。
 例えば3年前には商店街のシャッターを下ろした店の前で段ボールも敷かずにジャンパーを着て座り込んでいる方、毛布1枚で体を海老のように曲げて寝ている方が数多くおられたのですが、今回はあまり見かけませんでした。
 その理由として、釜ヶ崎から野宿している方を排除する動きが一段と強まっていることが挙げられます。例えば、商店ではシャッターを閉めてから店の前に水をまいたり、道路工事やアーケードの工事を夜間あちこちでやるようにしたりして、野宿できないようにしています。
 もちろん、出会いの家などの支援を受けて生活保護の受給が実現しアパート暮らしをされるようになった方もおられますが、全体から見れば一握りにすぎません。行政の方で収容施設などを作る動きも多少はありますが、焼け石に水というのが現状です。
 こうして釜ヶ崎から締め出された労働者の方達が大阪市全域に広がって行っています。これまで野宿されている方を見かけなかった地域で最近見かけるようになった、というケースが増え、その結果、安否の確認や実態の把握が以前よりも困難になり、状況はさらに深刻になっているとのことです。
「野宿されていた方が野宿をしなくてもすむようになった、だから野宿している人が少なくなった」ということならまだいいのですが、実際は単に他の地域に追いやっただけで、問題は解決するどころかますます複雑になってきています。