最新情報 2月5日

釜ヶ崎からの報告・その2

A はじめに
 現在、大阪市全域で15000人近くの方が野宿を余儀なくされています。その多くは高齢の日雇い労働者の方々です。20000人の日雇い労働者の方のうち仕事が得られるのは2000人、残りの18000人は仕事からあぶれてしまうと言われています(季節によって変動はあります)。仕事がなければ収入がなくお金がなくなってしまうため、1泊800〜1500円くらいの簡易宿泊所(ドヤ)に泊まることもできず、野宿を余儀なくされます。完全な買い手市場の中、高齢の方はまっさきに仕事からはじかれていきます。野宿されている方に高齢の方が多いのはこのためです。
 高度成長時代には人手の需要があったため全国から労働者の方が集まり、多数の高速道路、ビル、マンションが建設され、大阪万博も開催されました。バブルの崩壊後、人手の需要は激減し、阪神淡路大震災の復興のため一時的に需要が盛り返したものの、その後は減少の一途をたどっています。
 「まだまだ働けるので、仕事さえあれば働きたい」と考えている方が多数おり、同時に体を壊されて働きたくとも働けない方も存在します。「努力が足りない」「怠けている」といった一面的・表面的な見方では決して解決できない根深い問題がここにはあります。