最新情報 1月29日

小規模通所授産施設について・その6

2 小規模通所授産施設制度とその問題点

 小規模作業所の問題はとても根の深い問題であり、それだけで何冊もの本が書けてしまうほどですが、ここではあえて簡単にご説明させて頂きました。
 障害者地域福祉を支える存在の小規模作業所が、公的支援の乏しい中で厳しい運営をしいられている、という状況を改善すべく、全国各地で運動が続けられてきました。
 これに対し、厚生省(現在の厚生労働省)は新たに「小規模通所授産施設」という制度を設け、これをもって小規模作業所問題の決着を図ろうとしています。
 この制度は、従来の社会福祉法人、法定施設に比べて、設立要件を緩和するかわりに公的支援を4分の1に抑え、可能な事業も制限する、というものです。つまり「小規模社会福祉法人」が運営する小規模法定施設とも言えます。
 確かにこの制度によって小規模作業所は社会福祉法人格を取りやすくなります。しかし小規模作業所が小規模通所授産施設となる事で今の劣悪な状況は改善される、つまりこの制度により小規模作業所問題は解決される、と言えるほど現実は甘くありません。
 最大の問題は、事務コストの面では従来の社会福祉法人とさほど変わらないにもかかわらず公的支援が大幅に少なくなっている点にあります。
 次回より、この点を中心に問題点を洗い出してみたいと思います。