最新情報 10月28日

リサイクル困難なものについて

 当会が福祉リサイクル活動を開始して以来14年間に渡り、「ご依頼があった不用品は基本的にすべて回収させて頂く」という方針を貫いてまいりました。この活動方針を2年前に変更したのは「リサイクル困難な品物」が増えてきたからです。
 「リサイクル困難」とは@修理・修復が不可能なもの、A使って下さる方がいないもの、の2つがあります。
 @については製品の製造側に問題があります。とりわけ電化製品、家具などについては値段が安いかわりに壊れやすく作ってある品物が、この15年間で一気に増えてきました。これらの品物は修理・修復が物理的に難しい上、修理に必要な部品代や修理代の方が新品の製品価格よりも高くなってしまうため、修理・修復が事実上不可能となっているのです。メーカー側からすれば、直して長い間使われたら、新製品が買ってもらえなくて困るのです。不景気で消費者の価格に対する目も厳しくなり、新製品が売れにくくなったことが、この傾向に拍車をかけました。
 Aについては消費者の生活様式の変化による影響もあります。例えば足踏みミシン、動力ミシン、エレクトーン、オルガン、旧式ステレオなどは使われなくなってきています。子供が減ってきたため学習机の需要も減る一方です。人形を置く家も少なくなってきました。このためこれらのリサイクル品などは見向きもされません。
 また特に中型以上の家具や寝具などは新しくてきれいなものが好まれる傾向にあり、このため古いものはどんなに安くしてもめったに使って頂けません(黒檀や桐などを使っている作りのしっかりした家具は別ですが…)。
 当会は程度のかなりよいものだけ買い取って後は断るリサイクル業者ではなく、処分料をとって不用品を回収する処分業者でもありません。当会の活動目的は「営利の追求」ではなく、たとえ採算に合わないものであっても、リサイクルできる可能性があるのならば、回収してリサイクルしていきたいと考えています(その結果、職員の待遇は劣悪になっていますが…)。そのことによって「物が活かされ、人も活かされる」からです。
 裏返せば「リサイクルの可能性がない品物」つまり「処分することが明らかなもの」を回収することは当会の活動趣旨に反しています。物も人も活かされないからです。
 当会は「また誰かに使って欲しい」という不用品を出す人の気持ちと「まだ使えるのだから使いたい」というリサイクル品を利用する人の思いをつないでいく存在でありたい、と考えています。儲かるものだけリサイクルしていく、というやり方では広がりが期待できませんし、リサイクルできるものもできないものも一緒にして処分してしまうやり方では大量生産大量消費の流れを助長していくだけです。
 不用品の回収量が年々増加していく中で、売場もストックヤードも手狭になってきました。とりわけ一昨年10月から徳島市の粗大ゴミ収集方法がステーション方式(好きなだけ出せる)から申込み制(1ヶ月前に品目を書いて申し込むことが必要)になってから、不用品の回収依頼が急増しています。本来回収のご依頼が増えることはありがたいことなのですが、残念ながらその多くは「リサイクルが困難なもの」なのです。

 当会では、リサイクル可能なものであれば喜んで回収させて頂きます。この点をどうかご理解頂けたら、と思います。