投稿日:2012年11月08日

事務局通信55

事務局通信55〜オープンにするということ
太陽と緑の会リサイクル作業所には、毎日150〜200人のお客様がご不用となった品物の提供、資源ごみの持ち込み、リユース品の購入等のために来られるが、お客様から時々こんなご相談を頂くことがある。
「実は、知り合いの息子さんが、仕事をクビになった後、次の仕事が見つからず、ずっと家におるんや。」
太陽と緑の会で、日頃メンバーが働く様子をご覧になっていて、ここだったらあの息子さんも働くことができるのでは、と思われたそうだ。その後ご家族の方からもお電話が入り、詳しい事情をお聞きすると、精神科に通院中で、何回かアルバイトにも挑戦したが、長続きせず、自宅待機の状態が続いている、とのことだった。
親戚に何らかのハンディを持った人がいる、という方もいらっしゃるが、子供の友達の兄弟、近所の人の子供さん、などと範囲を広げてみると、実は身近な所におられる。様々なハンディを持った人の問題は、縁遠いもののように感じられるかもしれないが、意外とそうではないのかもしれない。

特別支援学校から太陽と緑の会リサイクル作業所に職場体験実習に来た実習生の保護者の方が、実は時々持ち込みや買い物でリサイクル作業所に来られていた方だった、ということもあった。太陽と緑の会リサイクル作業所のようにオープンな「障害者地域福祉の場」は、連絡なしにいつでも自由に「下見」ができるわけで、多くの保護者の方や親族の方が「下見」に来られていたことと思う。

オープンにすることは、「特別なものにしないこと」だと思う。「障がい者」という特別な人が、特別な空間で、特別な人生を歩むのではなく、当たり前に暮らし、当たり前に働けるようなあり方を考えて行くことができたら、と思う。

「しばらく顔見んかったけんど、どないしとったん」
 メンバーのAさんがお客さんから声をかけられていた。
毎日午後7時まで作業していたAさんが、4か月間3時で帰っていて、また7時までやるようになった。そのAさんを覚えているお客さんがいる、ということの意味を改めて思う。