投稿日:2018年12月16日

事務局通信123~双方向の関係の中で

今年も残すところわずかとなりました。
火災による建物焼失から新館を再建して12年半。ここ数年でスタッフが入れ替わり、リユース品の販売収入も大きく減少する中で、「人も物も活かされる街づくり」をどう展開していくのか、次を見据えながらの模索が続いています。

市民の皆様がリユースの想いを込めて提供して下さった品物が、手間暇かけることによって、それを必要とする皆様のもとへつながっていく。小さなお子様から年配の方、諸外国の方まで集まってくる。
そこでは、70才のパート職員の方が社会経験を活かしながら22才のメンバーと作業を行い、通所年数34年、69才間近のベテランメンバーが電話番の仕事を毎日5時間以上引き受ける。
40代、50代の中堅メンバーも、20代、30代の若手メンバーも、トラックに乗っての品物のお引き取り、お持ち込みの受付、品物の仕分け、磨き・包装、値札付け、リユース商品の陳列、さらにはレジや自転車のパーツ交換まで、それぞれできること、任されたことを、時には市民の皆様からのお叱りも頂きながら担っていく。
ハンディのあるなしに関らず、他者からその存在を認められ、役割があり、必要とされる日々日常によって、人は自分自身を支えていけるのかもしれません。 
上から目線の指導や訓練だけで人を変えようとする努力は徒労に終わることが多く、計画通りに人が変わることもなかなかありません。理論や事例をそのまま個人に当てはめることには無理があります。

「この人はこういう人や」という固定観念をいい意味で裏切ってくれる瞬間に立ち会えた経験が、人の可能性というものを信じてみたくなるきっかけになる…。あきらめようとする思いに少しだけ待ったをかけてくれる…。
人は心のどこかで変わりたくないという気持ちも持ち合わせているのでしょう。人と人との双方向の関係の中で、変わらざるを得ない状況の中で初めて、時にはダイナミックに、そしてそれぞれがお互いに変わっていくのかもしれません。

公的資金に軸足を置いた運営が今日の福祉の主流です。行政からの給付金を目当てにした民間企業の参入も増えました。
太陽と緑の会がイバラの道を歩み続けることに「なぜ?」の声もありますが、皆様からのご支援も頂きながら、限られた公的資金を有効に活用する持続可能な福祉の在り方を考えていければと思います。


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