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投稿日:2020年08月04日

事務局通信~「気を付ける」ということ

徳島でも、新型コロナウィルス検査で陽性と判明する人がほぼ毎日おられます。
近所のスーパーやディスカウントストアに買い物に行くと、法律で義務化されている訳ではないにも関わらず、9割以上の方が「自主的に」マスクを着用されています。高齢者の方が多く、また高齢者と同居されている方(三世代同居)も多い徳島では、日頃から感染しないよう「気を付けて」行動されている方が少なくないのかもしれません。
ただ、この「気を付けて」というのが少々曲者です。
日頃から「気を付けて」行動されている方は、他者に対しても同じように「気を付けて」行動することを求めたくなるかもしれません。「気を付けて」行動しない人に対していら立ちや怒りを覚えることもあるでしょう。己の欲求に身を任せて好き勝手に過ごすことに比べると、「気を付ける」「我慢する」という行動はそれなりにストレスがかかります。自分だけストレスがかかって、他者はそうではない、というのでは、何となく腑に落ちないものがあると思います。

岩手県で最初に陽性と判明した方は、友人たちと関東地方に遊びに行き、そのうちの1人が陽性と判明したことから検査対象となって陽性と判明しました。
この方の行動に何ら非難されるようなことはありません(むしろ、政府が遊びに行くことを推進するようなキャンペーンを前倒しで行っていたくらいですから)。
たまたま友人が陽性と判明してしまったために検査対象となってしまい、自分は大した症状がないにも関わらず陽性と判明してしまった、ある意味「巡りあわせが悪かった」面もないわけではありません。

この方の勤務先には「(こんな社員は)クビにしろ」「従業員の教育はどうなっているんだ」といった非難や誹謗中傷の電話・メールが殺到したようです。
「せっかく岩手県が感染者ゼロをキープできるよう気を付けて生活してきたのに台無しだ」
「感染者ゼロの岩手県にウィルスなんか持ち込んでどうしてくれるんだ」
といった思いを抱いた方もおられるかもしれません。やり場のない怒りが、正義感の装いをまとってぶつけられてきます。

冷静に考えてみれば、PCR検査が少なかった頃は、感染したものの大した症状がないままに終わり、検査対象とならなかったことから陽性者として世間にさらされずに済んだ、という方は、日本中に大勢おられたと思います(自分では気づいていないだけで)。
この方は、岩手県で初めて「陽性と判明した」方ではあっても、岩手県で最初に感染した方かどうかは分かりません。隣接する他県すべてで陽性と判明した方がおられ、人の往来も自由になされていたことを考えれば、むしろ感染された方はすでにおられたと考える方が自然かもしれません。あくまでも「陽性判明者がゼロだった」だけで、感染者がゼロだったかどうかは分かりません。仮にすべての県民に毎日PCR検査を実施したとしても「感染者ゼロ」を完全に証明することはできないからです。

インフルエンザと同じように、新型コロナウィルスも感染症のひとつとして世の中に存在し続けることになるのかもしれません。ワクチンが完成すれば問題が解決する、とも限りません。ワクチンの効果がどのくらい持続するかも分かりませんし、変異によって毎年新たなワクチンが必要となる可能性も否定できません。人が動けば感染は広がる。となると、大切なことは感染者を出さないことではなく、医療崩壊を防ぐことです。ある程度の感染拡大は容認しつつ、医療崩壊が起こることだけは絶対に避けるという方針のもと、経済教育といった活動を動かしていくしかありません。外出自粛の社会でも生活が成り立つ方がいる一方で、生活が破綻してしまう方もいます。「命は何よりも大切」と言うのであれば、外出自粛によって自殺に追い込まれてしまう方、虐待で命を落とす方を出さないことも必要です。

その意味で、陽性と判明した方の人数や行動履歴を毎日のように報道する今のあり方から、重症の患者の方がどのくらいおられるのか、医療資源はどのくらい逼迫しているのか、といったところに重点をおいた報道に変わっていく時期に来ているように思います。残念ながら検査で陽性と判明した方は、一律に病院で隔離するのではなく、無症状の方、症状の軽い方は自宅で養生して頂き、病院での治療が必要な方のみ入院して頂くというスタイルに切り替えていくべきでしょう。

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