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投稿日:2021年05月07日

事務局通信~伝えることは難しい

事務局通信~伝えることは難しい

 東京や大阪では3度目の緊急事態宣言の5月末までの延長が決定しました。東京、大阪では新型コロナウィルス検査の陽性判明者の増加に歯止めがかかりつつありますが、そのような表現での報道を目にすることは少なく、重症者数の増加や病床使用率の高止まりによって医療が逼迫している点を強調した報道が多いように思います。

 NHKの報道の中に「大型連休 東京から出た人は2020年の2倍 ステイホーム徹底難しく」といったものがありました。
「3回目の緊急事態宣言を受け、都道府県をまたぐ移動の自粛が呼びかけられた2021年の大型連休。どれだけの人が移動をしたのか、ビッグデータを分析した結果、東京から出た人は2020年の2倍以上、大阪から出た人は2020年の1.8倍近くに増えたことが分かりました。」
 昨年、初めての緊急事態宣言を全都道府県で発出していたときのゴールデンウィーク期間に比べて、東京や大阪から他の都道府県への移動が大幅に増えた、ということです。
 もちろん、これだけしか伝えないのであれば、偏向報道との誹りは免れず、少なくとも国民から受信料を徴収して成り立っているNHKに許されることではありません。
「一方、平成から令和への「改元」に伴って10連休となった2019年と比べると、▽東京から出た人は27%減、▽大阪から出た人は41%減となりました。」と、新型コロナ禍前の一昨年に比べれば減っている点にも言及しています。
 しかし「では、東京や大阪からどこに向かったのか。2020年より大きく増加したのは沖縄で、東京からの人は2020年より353%(4.53倍)増加したほか、大阪からの人は2020年より341%(4.41倍)増加しました。~今回のデータ分析では東京や大阪から訪れた人の数が2020年より減った都道府県は1つもありませんでした。」と、再び移動が増えた話に戻り、最後は「2020年の緊急事態宣言時と比べて、ステイホームを徹底する難しさが改めて浮き彫りとなりました。」と結んでいます。

 次は「緊急事態宣言 各地の人出は」と題し、緊急事態宣言下での比較分析を行い、「2回目の宣言時より減少」しているが「1回目の宣言時より大幅増」となっているとしています。
 各移動手段の比較分析に続きますが、いずれも昨年に比べて増えた点を強調しているのが印象的です。。
 まずはJR。内容は「JR各社によりますと大型連休の新幹線と特急列車の利用者数は、新型コロナウイルスの感染拡大前のおととしの同じ時期と比べると70%以上減少し、記録が残る平成2年以降、2番目に少なくなりましたが、2020年の同じ時期と比べると5倍以上に増えました。」とありますが、その見出しは「新幹線 特急の利用者 2020年の5倍以上」となっています。
 続いて航空。内容は「大型連休の期間中、国内の空の便の利用者数は100万人を超え、2019年よりは大幅に少ないものの、全国に緊急事態宣言が出ていた2020年のおよそ10倍に上りました。」とありますが、見出しは「空の便 2020年の約10倍」。
 最後は自家用車。内容は「大型連休の期間中の高速道路の交通量は、新型コロナウイルスの感染拡大前の同じ時期と比べると、40%以上減りましたが、2020年の同じ時期と比べるとおよそ2倍に増えました。」とありますが、見出しは「高速道路 2020年の約2倍」。

 決して間違った報道を行っているわけでも、都合のいいデータだけを抽出しているわけでもありません。きちんと事実を伝えた報道だと思います。ただ同じデータを前にしても「罰則を伴う移動制限を課しているわけでなく、あくまでお願いベースであるにも関わらず、これだけ人の移動が減っている」と報じるのか、「緊急事態宣言を出しているにもかかわらず、昨年より人の動きが増えている」と報じるのかでは、受け取る側の印象は180度違ってきます。
 「ステイホームを徹底する難しさが浮き彫り」という表現には、ステイホームを徹底することは良いことで、徹底できないことはダメなこととするようなニュアンスも感じられ、「感染拡大は国民の意識の低さに起因する」といった印象を与える可能性も否定できません。

 事実をどう伝えるか。まったく角度をつけずに報道することは難しいかもしれませんが、どのような角度で、どのくらいの角度で伝えるのか。改めて考えさせられるテーマです。
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