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投稿日:2021年03月30日

事務局通信~建前と本音

一昨日はリユース自転車バザーの開催日でしたが、あいにくの雨天のためか、自転車を見に来られる方も少なかったです。
これから暖かくなって、サイクリングが心地よい季節。新型コロナウィルスへの感染が心配だけど、ずっと家の中にこもっているのもしんどい、という皆様にもおススメです。

 厚生労働省老健局の職員23人が、3月24日、銀座の飲食店で開かれた同僚の送別会に参加したことが明らかとなりました(のちに同局で参加した5名を含む15名が陽性と判明)。
 飲食店に対し営業時間の短縮を要請したり、営業時間短縮命令に応じなかった店舗に罰則を科す手続きに入る一方で、新型コロナウィルス対策を管轄する厚生労働省の職員の皆さんが午後9時以降も営業している店をわざわざ探し深夜0時近くまでマスクも外して宴会をしている現実を見ると、政府や自治体からの要請に従うことがバカバカしくなってくる方もおられるかと思います。

(他にも、鳥取県では接待を伴う飲食店で送別会の2次会に参加した県職員8名全員が陽性判明となるクラスター発生、大阪府では自動車税事務所の職員14人が送別会を開き陽性判明者が3名、大阪市では高齢施設課の職員9人が焼き肉店で課長の送別会を開き陽性判明者が2名、愛媛県ではクラスター発生を発表した3月23日以降に県職員が20人以上参加した送別会が16件(市町振興課の職員約30人が道後温泉のホテルで総務省出身の課長の送別会、など)千葉県では新型コロナウイルス対策を担当している県の部署の職員ら4人が居酒屋で深夜まで飲食、沖縄県では県職員が2日続けて夜遅くまで長時間にわたり同僚らと最大5人で飲食、といった事例が最近ありました。)

 陽性判明者の感染経路不明割合の高い東京で、多人数で会食という行動自体は、感染拡大防止という観点から見ればあまり褒められたものではないかもしれませんが、いつも一緒に仕事をしている同じ職場の人間だから大丈夫だと判断したのでしょう。菅義偉首相自身が昨年12月14日、自民党の二階俊博幹事長ら計8人で会食していたことを思えば、そこまで非難に値するようなことでもありません。首相や幹事長はおとがめなしだったのに、送別会を主催した課長は更迭となり実名もさらされましたが…。
 問題は、国民に「気を引き締めろ」「自粛しろ」「言うことを聞かない人には罰則も辞さない」と言ってきた側の人間がそのような行動をとったという点にあります。そもそも政治家や官僚の皆様の中にも「新型コロナウィルスはインフルエンザが少しきつくなった程度のもので、それほど恐れる必要はない」という認識が広がりつつあるのでしょう。昨年8月には新型コロナウィルスを2類相当の指定感染症から外すという議論もありました。感染すれば高い確率で死に至るような「恐ろしい病気」と考えているのであれば、怖くて会食など参加できません。感染拡大の可能性が高い冬を前にして、GOTOイート、GOTOトラベルなど、社会経済活動のアクセルを踏み感染拡大のリスクを高めるような政策を行ったり、第4波が近づいていると言いながら解散総選挙の話が出たり…。
 政治家や官僚の皆様が大丈夫だと思っているのに、一般の国民にだけ「気を緩めるな」「我慢しろ」と言うのでは、「上級国民思想」と批判されても仕方がないと思います。「何としてでも感染を封じ込める」とテレビで繰り返される首相や首長のコメントも、今や政治的パフォーマンスとしか映らなくなった感もあります。緊急事態宣言は解除したばかりだから、次は「まん防」でいこう…。

(ちなみに、徳島でも保健所職員を含む県職員6名が友人宅で送別会を開き、6人全員が陽性判明となるクラスターが発生しました。厚労省職員の件では田村厚労大臣が減給の上で謝罪、鳥取県知事からも謝罪のコメントがありましたが、徳島県知事は県職員個人に対して「「残念というしかない。(県職員としての)自覚を持ってほしい」とコメントするだけで、県民に対する謝罪の言葉は一切ありませんでした。
 ただ徳島県のホームページを見ても「飲酒を伴う懇親会等」「大人数や長時間に及ぶ飲食(大きな声での会話を控える)」「マスクなしでの会話」など感染リスクが高まる5つの場面に「注意しましょう」とあるだけで「してはいけない」とは書いていません。リスクが高いからやる場合はそのことを自覚した上でやって下さい、とも解釈できます。大人数での飲食をただちに「気が緩んでいる」と批判するのであれば「注意しましょう」ではなく「してはいけない」と書くべきで、その意味では、送別会に参加して陽性判明となった県職員は何も悪いことをしたわけではないのだから知事が謝罪する必要はない、という考えも一理あるのかもしれません。首都圏や関西圏とは違い、徳島では大人数での送別会や居酒屋での長時間にわたる飲食もリスクを自覚していれば自粛する必要はない、緊急事態宣言が発令されていた1年前の今頃とは違います、ということなのでしょう。)

 国民の気の緩みが感染拡大、ひいては医療の逼迫を招く、という筋書きが当たり前のように言われていますが、欧米に比べて圧倒的に陽性判明者が少ないにもかかわらず医療が逼迫している原因は、一部の病院に負担が集中してしまう医療体制にもあります。2009年の新型インフルエンザから12年、次なる感染症の流行に備えた改革の時間は充分あったはずです。
 問題は医療体制だけではありません。日本におけるワクチン接種の遅れはOECDの加盟国の中でも際立っています。100人あたり接種完了人数はイスラエルの34.74人を筆頭に、UAEの22.39人、チリ18.54人、アメリカ16.24人、トルコ8.02人、シンガポール6.59人、イギリス6.25人、スペイン5.62人、イタリア5.16人、ドイツ4.88人、ロシア4.77人、スウェーデン4.69人、フランス4.04人、ブラジル1.95人、インドネシア1.23人となっていますが、日本はわずか0.1人です(3月31日現在 日本経済新聞)。
それもそのはず、医療従事者等を除く一般の国民の接種は、いまだに始まっておらず、ようやく一部の自治体で高齢者の方に接種券の発送が始まったというレベルです(徳島県では勝浦町とつるぎ町で発送開始)。高齢者以外の一般国民の接種は早くて7月以降と言う信じがたい話が現実です。ワクチンの有効期間がどのくらいなのかは不明ですが、希望者全員が接種を完了する前に、最初に接種した人の有効期間が終わってしまうような事態にならないことを願うばかりです。
 医療体制改革とワクチン接種の遅れが医療逼迫の原因であると認めてしまうと困る皆様が、政策のミスから目をそらすため、国民だけに責任を押し付ける方向に誘導しようとしているのでは、と勘繰りたくもなります。再三にわたり医療崩壊の危機を喧伝し、国民の恐怖心を煽ることで得をしているのは誰なのか。感染判明から1年以上たった今、そろそろ冷静に考える時期なのかもしれません。

 プロ野球もサッカーのJリーグも人数制限はあるものの観客を入れて通常通りのスケジュールで始まりました。4か月後、国民の半数以上がワクチン接種を完了できていない状況で、東京オリンピックが行われます。その時は、たとえワクチンの効果が薄い変異型が大流行していたとしても、東京都で陽性判明者が1日2000人出ることになったとしても、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を出すことはないでしょう。日本全国から観客が集まるオリンピックを目前にして「飲食店に対する時短営業」「不要不急の外出の自粛」「都県をまたいだ移動の自粛」を要請することほど滑稽なことはありません。「オリンピックの観戦は不要不急の外出ではないから自粛しなくてよい」などという詭弁を信じる国民はいないでしょうから、これまでの自粛の反動で旅行需要も大幅に増え、人の移動も行動も活発になるでしょう。
 オリンピックを開催するということは「新型コロナウィルスが完全に終わったわけではないけれどもう大丈夫」というメッセージとして伝わる可能性が高いです。第4波、リバウンドと言われている最近の状況は、年度替わりで人の移動や行動が活発になりやすいこと、感染力を増した変異型ウィルスが広がっていること、万が一感染したとしても8割の人は軽症もしくは無症状で終わること、といった要素に加えて、1年以上にわたる自粛生活に精神的経済的限界が来ているところにオリンピックの開催が確実となったことで「もうそろそろいいんじゃないか」という空気感が漂い始めていることもあるように思います。

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