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投稿日:2021年05月20日

事務局通信~平等という幻想②

 政府やマスコミの言説を鵜呑みにせず、自分の頭で考えて行動することが大切だと、改めて思います。問題は、国民の気が緩んでいることではなく、国民が自粛の要請に従わなくなっていることでもありません。一部の医療従事者に新型コロナ医療の負担が集中してしまっている医療体制の問題、ワクチンの接種・開発・承認で圧倒的に後れをとってしまった感染症施策の問題です。政府はこの問題に本気で取り組もうとせず、国民だけを悪者にしてきました。 
 マスクを外して大声で騒ぐような自他ともに感染リスクを高めるような行動は慎むべきだ、と思います。コロナ禍社会で生きていく中での最低限のエチケットでしょう。しかし、それを踏まえていれば、ショッピングに出かけてよいかどうか、県域をまたいだ旅行をしてよいかどうか、外出を自粛する必要があるかどうか、不要不急かどうか、それは私たち一人一人がそれぞれの事情に応じて判断し行動すればよいことです。
  新型コロナ対策分科会の尾身茂会長もGOTOトラベルキャンペーンが始まる前は「旅行自体が感染を起こすことはないですから、もしそれが起きていれば日本中は感染者だらけ」と話し、旅行による人の移動に問題はないとの見解を示していました。
 麻生派の政治資金パーティで実行委員長を務めた井上信治・内閣府特命担当大臣も「政策集団として練り上げた政策を発表する場。『不要不急』とは考えていない」とコメントしたそうです。不要不急ではない、だから開催に問題はない、ということです。

 大切なことは「感染防止対策を十分行っている」ことです。だから「感染防止対策はきちんとして下さい」という要請は必要ですが、ステイホームや移動自粛の要請は不要だと思います。
 百貨店や映画館に休業を要請する必要もなかったでしょう。感染防止対策はきちんとされていますし、マスクを外して大騒ぎするような方もおられません。ホテルの宴会場での100人のパーティより百貨店や映画館の方が感染拡大リスクが高いとする科学的根拠は存在しません。
 (感染防止対策をしており、クラスター発生の事案がないにもかかわらず)人の流れを抑えるためとの理由で休業を要請し、ステイホームをお願いし、通勤であっても東京に来ないで、とまで言った小池都知事。東京都千代田区のホテルで開催された、人の流れを抑えることに反するような今回の件に対し苦言のひとつも言わないのは、100人くらいなら目くじら立てるほどではない、下手なことを言って、ワクチン接種への協力に影響が出たら困ると思っているのでしょうか。ちなみに昨年の会長選挙で中川氏を強く推したのが、東京都医師会会長の尾崎氏でした。
 100人集まっても問題ないと日本医師会会長自ら言っており、これまで人流の抑制を訴えてきた政治家、自治体の首長、政府からもそれを問題視するコメントはほとんどありません。にもかかわらず、営業を再開した百貨店に対しては、高級衣料品は生活必需品ではない、と難癖をつけて、当該売場の再休業に追い込みました。百貨店の高級衣料品売場に、一度に100人ものお客様が集まることがあるのか甚だ疑問であり、指導に従わなかったことに対する見せしめとしか思えません。高級衣料品ならば市民からの反発も少ないと見込んだのでしょう。
 1年前の大阪府でも、クラスター事例はないにもかかわらず、パチンコ店が感染拡大のやり玉に上げられました。要請に従わない事業者は名前まで公表されて、住民の不満をそらすための生贄同然でした。パチンコという業界を日頃から良く思っていない人にとっては、誹謗中傷のお墨付きをもらったようなもので、格好の憂さ晴らしになったかもしれません。80年前のドイツの歴史を彷彿させる出来事でした。 

 国家の役に立つ「上級国民」はワクチン接種も入院治療も優先的に受けることができ、いかなる行動も「不要不急ではない」と正当化され、そうでない一般の国民は後回しにされ、行動も自粛が求められる、という今に始まったわけではない不平等の現実をきちんと受け止める時期に来ていると思います。
 同じことをやっても、一方に対しては見て見ぬふりをして沈黙を貫き、他方に対しては指導や命令を行い従わなければ罰則を科し名前も公表する、という現実。大阪府の吉村知事が感染拡大抑制のために「個人の自由制限」(私権制限)の必要性に言及していますが、一般の国民の自由は制限されるが上級国民は制限されない、一般の国民は従わなければ逮捕されるが上級国民は正当化されて逮捕されない、という未来がすでに始まっているのかもしれません。
 「不平等はなくすべきだ」などということではありません。不平等はあってほしくないと願うあまり現実から目を背けてしまうこと、不平等が隠蔽され平等な社会だと思い込んでしまうことが問題なのだと思います。中国4000年の歴史を見ても「不平等」が存在しなかった時代はありません。
「アメリカとは違って、日本は平等な社会だ」というのは幻想です。不平等な社会である日本をどう思うのか、どのような社会になっていけばよいと思うのか、私たち一人一人が考えていくことだと思います。
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