投稿日:2016年02月16日

事務局通信75

事務局通信75〜舞台裏のリアリティ

「クッキーのレシピを教えて下さい」
障害者事業所の施設長さんが商品開発に際し、他の障害者作業所の所長さんにこのような協力を依頼する。福祉の世界では時々ある話です。
これからレストランを開業しようとする人が、近所のレストランに行って「今度レストランをやろうと思っているので、レシピを教えてくれませんか」とお願いする。そんなイメージでしょうか。

昨年研修で見学させて頂いた「がんばカンパニー」(滋賀県・就労継続支援A型事業所)は焼き菓子の製造販売で年間約1億3000万円の売上をたたき出しています。所長の中崎さんは「オリジナル商品の開発のために毎日ひたすらクッキーを食べ続けた」とおっしゃっていました。
ただ、こうした舞台裏の努力は外から見えにくいこともあり「教えてもらえばうまくいくのでは」と思われることもあるようです。
「がんばカンパニーから経営ノウハウを導入することを決意した事業所の中には、福祉業界の特異な感覚、すなわち無料でノウハウが提供される、指導してもらえるものという考え方から抜け切れず、全てのことに受身、受動態の姿勢があり、「がんばカンパニー」の負担が予想を大きく越えることになり…」

(フランチャイズシステムビジネスを障害者就労事業に導入するための研究報告書(平成22年 滋賀県社会就労事業振興センター))

太陽と緑の会の活動も「無償で頂いたものを販売するのだから儲かるのでは」と誤解されることがあります。
見学・研修や体験ボランティアの希望を随時受け入れ、活動も基本的にオープンにしています。品物の仕分け作業を行う倉庫で実際に見て、体験して頂き、
「お金を稼ぐことだけを考えるならば買取販売の方が効率的ですが、様々なハンディを持ったメンバーを活かすことを考えると…」とお話しさせて頂くことで、少しでもリアリティをお伝えできれば、と思っております。(文責・小山)