投稿日:2013年10月31日

宿泊研修2013 in広島 報告

平成25年10月28日(月)〜29日(火)、財団法人徳島県福祉基金より「地域活動支援センター等利用者の社会参加を促進する事業」として受けた助成金に自己資金を合わせ、太陽と緑の会リサイクル作業所及び太陽と緑の会月の宮作業所合同の宿泊研修旅行を行いました。研修の参加者は様々なハンディを持ったメンバー、スタッフ、ボランティア、計34名(リサイクル作業所21名、月の宮作業所13名)です。

今回の研修では、作業所利用者の見識を深めることを目的として広島平和記念資料館、マツダミュージアム及びNPO法人ウィングかべ(就労継続支援B型事業所等の運営)の見学を行いました。

10月28日午前8時、金毘羅タクシーの貸切バスに乗って、太陽と緑の会リサイクル作業所を出発。津田SA、篠坂PAでトイレ休憩をはさみ、メンバー手作りのおにぎりを車中で食べ、11時50分、広島平和記念資料館に到着。
6〜7割のメンバーがここに見学に来るのは初めてとのことで、原爆投下前と投下後の街並みの変貌の様子を示したジオラマ、爆風で湾曲した鉄扉、ガラス片が突き刺さった壁、血だらけの学生服などの遺品の数々を見ました。
また放射能の被害については、「被爆された方だけでなく、その子供や孫たち、つまり被爆2世、3世の方の結婚・出産の問題が現に存在し、今は4世の方までいる」と、ボランティアのガイドの方が言われていました。広島の原爆が決して過去の「終わった」話ではないこと、福島の原発でも同様の問題があり、核兵器や原発がある限り、今後も起こりうる話であることを改めて考えました。

平和記念資料館を後にし、14時30分からマツダミュージアムを見学。マツダの歴代の車から最新のものまで展示されており、最新車には実際に座席に座ることができ、車好きのメンバーは興奮冷めやらぬ様子でした。製造工程やバンパーリサイクル(廃車バンパーから新車バンパーへのリサイクル)についてのレクチャーの後は、実際に製造ラインを見せて頂きました。
トラブルがあったようでラインは止まっていましたが、ひとつのラインに様々な車種が並ぶ混流生産方式、ラインに流れてくるクルマに応じて必要な部品を取るのではなく、あらかじめ1台分の組み立てに必要な部品をセットした部品箱をクルマと一緒にラインへ供給する「キットサプライ方式」、モニターによる作業工程指示、ロボットによる窓への接着剤塗装などの説明がありました。

16時50分、宿泊先のもみのき荘に到着。

翌10月29日午前9時出発。広島市北部で障害者支援事業に取り組むNPO法人ウィングかべに10時20分に到着。就労継続支援B型事業所として「お菓子工房エール」「まちの寄合所 喫茶・食堂 亀楽庵」「コミュニティサロン 可笑屋」を運営していますが、事務局長の佐々木さんのご案内のもと、その3か所を順番に見学させて頂きました。
平成3年に精神障害者の共同作業所としてスタート、平成15年にNPO法人格を取得しました。平成18年にオープンした可笑屋は、旧街道(出雲岩見街道)沿いの築150年の繭問屋を改装した建物で、オリジナルブレンドのコーヒーと、いろいろな味が楽しめる古代米定食を私たちも頂きました。ウェッジウッドなどのティーカップはメンバーさん自身が選んできたものとのことで、お客さんのテーブルでメンバーさんがコーヒーを入れていくパフォーマンスもなかなかのものでした。
13時37分に出発。16時58分太陽と緑の会リサイクル作業所に到着し、研修を終了しました。
毎年行っている研修旅行ですが、ここ数年は一般の事業所や製造業・工場の見学が中心でしたが、今回7年ぶりに作業所の見学を行いました。メンバーを「福祉の対象者としてではなく生活者として」として考え、「福祉の枠を超えた広がりとつながり」を模索し、「街づくりの拠点として福祉を活用していく」という実践の一端を垣間見るとともに、10年間、軸となって活動されている佐々木さんのお話を伺うことができ、大変意義深い研修となりました。
来年の研修も、先駆的な活動に取り組まれている作業所等の見学を視野に入れて行きたいと考えています。