投稿日:2013年09月09日

事務局通信61

事務局通信61〜バランス感覚

 太陽と緑の会では7人の専任職員が活動しています。20代、30代、40代、50代、どの世代も1人以上はいます。うち4人は在職10年以上です。

 太陽と緑の会は全運営費にしめる公的資金の割合が13.9パーセント。活動資金の8割弱はリユース・リサイクルなどの非営利事業で捻出する必要があります。

 職員は、様々なハンディを持ったメンバーを指導することで給料が保証されているわけではありません。「私は障がい者の方の支援をするのが仕事です。他の仕事はしません」では成り立ちません。

 かといって、リユース・リサイクルの仕事だけできればよい、ということでもない。このバランスが難しいところです。

 メンバーお構いなしで仕事を進める。比較的仕事がやりやすいメンバーにだけ仕事を頼む。これでは活動の原点からかい離していきます。仕事の効率性・完全性だけを追求していくと、次第に企業的アプローチに近づいてきます。

 しかし一般就労からはじかれたメンバーに、同じアプローチをしても、なかなかうまくいきません。メンバーを脇役に押しやり、選別していく方向に向かいがちです。

 仕事の効率もある程度は考えつつ、メンバーが活きることを考える。このバランス感覚を保つためには、「なぜこのような活動をやっているのか。なぜ必要なのか」といった会のコンセプトや個別ケースについてスタッフ間で絶えず確認し、共有していくことが必要です。

 しかし、活動時間中は、トラックで各ご家庭にお伺いして、市民の皆様から品物を頂いて、仕分けして、値段をつけて、陳列して、販売して、資源ごみを積み込んで搬入して、というメンバーとの共働作業があり、日中にスタッフ全員が集まってじっくり会議をする時間的余裕はありません。そのため、毎週月曜日の夜にスタッフ会議を行っています。

「仕事ができて、様々なハンディを持ったメンバーともお付き合いができて、給料は少なく、土日祭日も関係なしだけど、それでもスタッフとしてやりたい、という人はおらんもんやろか」

 それはやはり浅はかな夢想なのでしょう。5年、10年かけてメンバーとスタッフがお互いに育っていく。そこは同じ地平に立っているのかもしれません。自戒の念もこめて…。(小山)