投稿日:2012年09月13日

事務局通信53

事務局通信53〜地域で暮らす障がい者は地域経済に貢献している?

 太陽と緑の会月の宮生活棟のある入田町に、A商店という小さな雑貨屋さんがあった。
 生活棟からは歩いて20分くらい。生活棟で共同生活しているメンバーが、水曜日になるとよくパンなどを買っていた。またその近くにはBという酒屋さんがあって、メンバーが缶ビール等を買いに自転車をこいでいたのを思い出す。
 太陽と緑の会リサイクル作業所から2キロちょっと行った所に蔵本というJRの駅がある。駅の近くにスーパーがあるのだが、近所に住んでいる当会の様々なハンディを持ったメンバーがよく利用している。
「ここは安いんです。でも私はそこからさらに半額になるのを待って買います」
「夕ごはんを作るんがしんだいとき、ここのお総菜を買うんよ。いつも行くから顔なじみになって、頼んだお総菜も作っておいてくれるんよ」
「自炊は大変なので、ここのお総菜は助かっています」
 太陽と緑の会リサイクル作業所の目の前に散髪屋さんがある。残念ながら体調を崩されたとかで閉められているが、つい最近まで、当会の作業所メンバーが休憩時間や作業が終わった後に、散髪をしてもらっていた。
 メンバーのAさんは写真を撮るのが好きだ。写真の現像は、近所のおなじみの○○写真店に頼んでいる。
 自動車という交通手段を持たないがゆえに、地元の店の利用率が必然的に高くなる。その意味では地域経済の活性化に貢献しているともいえる。
 徳島では他の地方都市同様、自動車が主な交通手段となっており、JR路線が3本しかないという交通の貧困がそれに拍車をかけている。郊外のバイパス沿線等に立地するフジグラン、ゆめタウンといった大型のショッピングモールやフランチャイズチェーンの大型店舗が集客力を高めている反面、中心部の商店街をはじめ、小さな商店は軒並み苦境に立たされている。反面、自動車という交通手段を持たない人にとっては住みにくくなってきたのかもしれない。
 障がい者の地域移行はなかなか進まないが、地域経済の活性化という視点で考えてみてもいいかもしれない。