投稿日:2012年01月31日

事務局通信46

「メンバーの接客」 

 地域活動支援センター太陽と緑の会リサイクル作業所には、年配の方から子供さんまで幅広い年齢層の方が来られます。アメリカ、ヨーロッパ、中近東、アジア、アフリカなど諸外国の方も当会を利用して下さっています。
 市民の皆様が、ご家庭でご不用となったものを当作業所に持って来られたり、リユース品を買いに来られた際、最初に接客させて頂くのは、様々なハンディを持ったメンバーです。
 「ちょっと品物を持って来たんやけど」とお客様が来られます。「はい」と言ってメンバーがお客様のお車の所まで行きます。お客様が車のドアを開けて、中から品物をメンバーに渡していきます。家電リサイクル法対象品など、お引取りできるかどうか分からないものがあると、スタッフを呼んで来て対応してもらいます。品物のお引取りが完了したら、持ち込みカードにお名前などを記入して頂き、太陽と緑の会の機関紙をお渡しして、「ありがとうございました」となります。
 リユース品を買いに来られたお客様への対応も、まずメンバーが行います。
「照明器具を探しとるんやけど」「はい、こちらです」と言って売り場までご案内します。「このコタツ、欲しいんやけど」「はい、分かりました」とレジまでお運びします。
 メンバーは、その人なりにやってはいるのですが、お客様に呼ばれているのに気がつかなかったり、分からないことを聞かれてシドロモドロになったり、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の一言が言えなかったり、ということも時々あります。サービスの向上著しい一般の小売店に慣れた皆様にとっては、少し違和感を覚えることがあるかもしれません。
 「統一したマニュアルを作って訓練すればよいのでは」という声もありますが、民間企業になじめなかったメンバーに民間企業と同じ手法を当てはめることは、部分的な効果はあっても限界があります。お客様へのサービスを第一に考え、スタッフが全部対応すれば、メンバーは必要のない存在となります。「はじかれてしまった人」が福祉施策としての通所授産施設や就労継続支援B型事業所に通えば、1人当たり年間155〜230万円の公的資金が使われることになります。
 「商売」の常識には反するかもしれませんが、メンバーが活きる可能性があるのであれば、「その人なりの接客」によってメンバーが接客の場に参加できる道を模索しています。メンバーがその人なりに立っていくことができるようになれば、本人も活き活きとしてくるし、財政コストの削減にもつながるからです。