投稿日:2010年10月26日

事務局通信37〜死ぬまで訓練?〜

AさんとBさんが、どこかの施設のパンフレットを見ながら、何やら話しこんでいる。
「これ何て読むん?」
「就労訓練って書いとる」
「くんれんって何」
「うーん…。練習するってことちゃうで」
「何を練習するん?」
「仕事ちゃうん?」
「仕事って?」
「普通の人と同じ仕事」
「一般就労ってこと?」
「そう、それそれ。Bさんも、一般就労したいやろ?」
「うーん…。ちょっと分からん」
「一般就労できるように練習するってことやないかな」
「それが、訓練ってことか」
「ほうや」
「何歳まであるんやろ、訓練って」
「一般就労できるまでちゃうん?」
「一般就労できんかったら、どないするん?」
「別の訓練するん違うん?」
「ひょっとしたら、死ぬまで訓練?」
「ほうかもなぁ」
「そんな人生、ちょっといややなぁ」

障害者が一般就労するためには、障害を克服して健常者に近づくよう努力しなければならない。一般就労からこぼれた障害者は、福祉領域において指導員・支援員と呼ばれる人から指導・訓練・支援を受ける。福祉からもこぼれたら、精神病院か刑務所しかない。
そんな日本の現実があります。(小山)