投稿日:2009年12月10日

研修旅行報告

 平成21年12月7日(月)〜8日(火)、財団法人徳島県福祉基金より「地域活動支援センター等の利用者の社会参加を促進する事業」として受けた助成金に自己資金を合わせ、太陽と緑の会リサイクル作業所及び太陽と緑の会月の宮作業所合同の宿泊研修旅行を行いました。研修の参加者は様々なハンディを持ったメンバー(利用者)、スタッフ、ボランティア、計27名です。
 今回の研修では、民間企業の生産工程及び商品についての見識を深めることを目的として、アサヒビール四国工場(愛媛県西条市ひうち2−6)及び備前焼窯元(有)備州窯(岡山県備前市伊部302−2)の見学を行いました。
 12月7日午前9時10分、貸切バス(41人乗り・金比羅タクシー)に乗って、太陽と緑の会リサイクル作業所を出発、徳島自動車道、松山自動車道を西に進み、11時30分、アサヒビール四国工場に到着しました。経費節約のため、昼食は手作りのおにぎりとしました。
 3年半前、当会が火災に見舞われた際、復興資金にと10万円のご寄付をアサヒワンビールクラブ(社員の皆様による募金制度)様より頂きました。その時、当会に来られた黒住様より工場見学のお誘いを頂き、いつか研修で行きたいと考えておりました。
 12時より、ガイドの方の案内で見学を開始。ここでは四国四県に出荷するビールを製造しています。当会作業所のメンバー(利用者)さんは、原料の大麦、ホップを実際に手にとって触れたり、仕込工程の温度管理を行っているコンピューター室を興味深そうに眺めたり、屋外に並ぶ高さ20メートルの発酵・熟成タンクに大きさに驚いたりと、それぞれ発見があったようでした。特に、完成したビールを1分間に1500本のスピードで350ミリリットル缶に注入し(缶フィラー・充填機)、蓋をする(シーマー・缶蓋締め機)缶詰工程では、その見事な様子に歓声が上がりました。
 100数十項目にわたる厳しいチェックを行い、検査員による試飲検査を何段階も行うなど、品質の向上に向けて弛まぬ努力を続けていること、生産工程の自動化によって工場の無人化が進んでいることが分かり、実り多い工場見学となりました。
 13時25分、工場を出発、松山自動車道、高松自動車道を東進、瀬戸大橋を渡り、16時28分、宿泊先の岡山いこいの村に到着しました。ここではエミュ(ダチョウの仲間)、ヤギ、犬、ニワトリなどを飼っており、当会作業所のメンバー(利用者)さんが一緒に写真を撮ったり、頭をなでたりして、喜んでいました。
 12月8日午前9時50分、貸し切りバスに乗って旅館を出発、10時45分、備前焼窯元(有)備州窯に到着しました。昼食は今年もほかほか弁当、飲み物は市民の皆様から頂いたケース入りの缶ジュースを持参しました。
 備州窯では登り窯の前で説明をして頂きました。備前焼の特徴はうわぐすり(釉薬)を使わずじっくりと焼き締めを行っていること、田の底から掘り出した粘土が備前焼の材料として使えるようになるまでに5年くらいかかること、花を活けると長持ちし、お茶も美味しくなるなどいろいろな効果があること、などのお話がありました。職人さんが電動ろくろを使って湯呑を成形している姿を一生懸命見ているメンバー(利用者)さんもいました。
 「この世界では20年(のキャリア)ではまだまだひよっこです」「(陶芸の世界で)名前を出すのは容易なことではなく、途中で辞めていく人が多い」「なかなか認められることはないが見ている人は見ている」「土の動きを知らなければいいものは作れない」「値段が高い、という人もいるが、自分で作ってみれば、これを作ることがいかに大変なことか分かるはず」職人の方のお話から、この世界の厳しさと奥の深さが伝わってきました。
 帰りは山陽自動車道、瀬戸大橋、高松自動車道と走り、午後3時2分、太陽と緑の会リサイクル作業所に到着しました。
今回の研修旅行では、モノづくりの現場を間近で見ることができ、そこに携わっている方のお話を伺うこともできました。作業所のメンバー(利用者)さんにとっても、今後の作業を行っていく上で収穫が多く、限られた予算の中で費用対効果の高い研修になったと思います。