投稿日:2009年12月04日

事務局通信30 頑張らないということ

 鉄骨スレート葺き60坪2階建ての倉庫(賃借)の2階に10畳ほどの小さな作業部屋を作りました。
 ある程度状態が落ち着いて、精神病院を退院することができ、デイケアを利用してきたが、できれば働きたいと思っている。一般就労できればよいがハローワークへ行っても面接までこぎつけるのが精一杯、それも入院歴や服薬していることを隠しての面接、他に行く場所もなく、どうしたらよいか分からない。家で何もせずにテレビばかり見ていると、家族からの視線も厳しくなり、お互い煮詰まってくる。いい年した大人が仕事も探しに行かんと何をやっているのか、と近所でも噂される。そのような方が、地域社会には少なくありません。
 地域活動支援センター太陽と緑の会リサイクル作業所では、退院後の行き場所のないメンバーさんのために、倉庫2階の一角に内職的な作業のスペースを設けていました。しかし天井がなくエアコンがないため、夏は天然のサウナ、冬は吐く息が真っ白になる寒さ、通うだけで精一杯のメンバーさんにとっては厳しいものがありました。新たな作業部屋は、壁で囲い、天井もつけ、エアコンも入れました。
 「細く長く続ける」「なるべく再入院しない」ために必要なことは、「頑張らない」ということです。頑張りすぎた結果、病状が悪化し、再入院ということになると、退院した時はゼロからのスタートではなく、マイナスからのスタートです。歩みはカメのようにゆっくりであってもボチボチと続けることが、生き直していく力につながると思います。