投稿日:2009年07月30日

事務局通信 その28 自分の居場所

 Bさんは20年目のベテランのメンバーです。養護学校高等部在学中に太陽と緑の会リサイクル作業所で実習を体験し、卒業後通所するようになりました。
 言葉を発することがなく、学校の先生からも「作業所で作業することは難しい」と言われる所からのスタートでした。長い道のりの中で、朝の9時から夜の6時まで、水曜日を除く毎日、商品の磨き作業や店内の清掃作業にコツコツと取り組むことができるようになり、少しずつ言葉も回復してきました。
「実は○○(Bさんの名前)が頂いて来るお給料が(家計にとって)助かっているんです」
 あるとき、Bさんのお父さんがしみじみと言われました。この不況で、お父さんの仕事も少なくなり、生活も厳しいとのことでした。
 Bさんは、太陽と緑の会リサイクル作業所でもらう毎月のお給料を給料袋ごとお父さんに渡しているそうです。給料袋をBさんから受け取る瞬間に見せるお父さんの表情と、ちょっぴり誇らしげなBさんの横顔が、目に浮かんできました。
 世話をしてもらうばかりでなく、できる範囲でいいから、自分のできることを返していく、というささやかな営みが、その人の居場所を作ることにつながっていくのかもしれません。
「自分はここにいていいんだ。」と思える瞬間が、そこにあるのだと思います。
(小山)