投稿日:2009年06月11日

事務局通信27

〜できることを活かす〜

「太陽と緑の会リサイクル作業所メンバーのAです。どういったご用件でしょうか」
 太陽と緑の会に電話をかけると、おっちゃんの声が聞こえてきます。元気はいいのですが、ハンディの問題もあって、対応の不備で市民の皆様にご迷惑をおかけすることも、時々あります。
「きちんと対応できない人間を、なんで電話に出させるんや」「事務職員を置いて、きちんとした対応をせんと、いかんのとちゃうん」「団体としての信頼をなくすで!」と、お叱りの言葉を頂く事もありました。
 実は、電話の対応も、地域活動支援センター太陽と緑の会リサイクル作業所の「メンバーの作業」の一環として行っています。
 Aさんは、今から24年半前、当作業所に来るようになり、いろいろな作業に挑戦してきました。いずれもうまくいかず、最終的に残ったのが、レジと電話番だったのですが、対外的な要求水準の向上についていくことができず、平成10年9月には家具・衣料品売場に限定したレジのみを担当するようになりました。
そして火災による本館焼失後、平成18年4月に新館がオープンするとともに、売場やシステムも大きく変わり、電話番のみの担当となって現在に至ります。
Aさんは、制度上は障害が「軽い」ため、障害者基礎年金が受給できません。それだけでなく、国民年金、国民健康保険を払わなければなりません。福祉からも雇用からも見放されたAさんが、電話番の作業もできなくなったとき、どう生きていくのか、そんなAさんをどう活かしていくのか。還暦を目前に控えたAさんの前途は厳しいです。
 Aさんがきちんと対応できるのは、?回収カードの記入(お客さまからの品物の引き取りのご依頼を聞いて、お名前、ご住所、お電話番号と品物をカードに記入する)?開店、定休日の問い合わせ?来店経路の案内?商品在庫の問い合わせの中継?FAX受信操作、の5つです。現在、Aさんにはこの5つについての対応をお願いし、それ以外は職員が代わって対応する、という二段構えの形でやっています。
 「できないことを否定するよりも、できることを活かし、できないことはできる人に助けてもらうことで、何とかできんもんやろか」などと言うと、「世の中、ほんな甘いもんやないで」「誰も助けてくれへんわ。甘ったれるな」と、お怒りの声が聞こえてくるかもしれませんが…。
 いろいろご迷惑をおかけすることがあるかと思いますが、今後ともよろしくお願い致します。(小山)