投稿日:2009年04月28日

事務局通信26

事務局通信 26 新人からの卒業

この春。地域活動支援センター太陽と緑の会リサイクル作業所にも、新しい男性メンバーのAさんとBさんが入ってきました。二人とも、養護学校高等部在学中に、当作業所で3日間の職場体験実習を何度か経験し、本人の希望で通所することに決まりました。
新人さんが入ることは、他のメンバーさんにとっても大きな刺激となります。今まで新人メンバーだったCさんは、「もうすぐ先輩やなぁ」と言われても実感がわかないようでしたが、新人さんが来て、現実に直面することになりました。
当然のことながら、新人さんは分からないことだらけです。先輩メンバーのDさん(30代)もEさん(40代)も手取り足取り教えてくれます。「よう頑張っとるなぁ」「助かるわ」とリップサービスの嵐です。
2週間くらいたって、Aさんが私にこんなことを訴えてきました。「最近、僕、よく怒られるんよ。どうしてかな? 僕も頑張っているのに」もう少し聞いてみると、「どうして最近は僕の事をあまりほめてくれないのかな? 前は毎日ほめてくれたのに」ということのようです。
「新しくAさんとBさんが入って、Cさんも先輩になったなぁ」「ええ」「先輩になると、前みたいに毎日のようには、ほめてもらえなくなるんよ」「……」
「DさんもEさんも最初はほめてもらっていたけれど、後輩が入ってほめられることも少なくなった。でも時給ミーティングでは二人とも評価されて、時給はずいぶん上がったんよ」「ええ」「Cさんも、今までのようにはほめられなくなるかもしれないけれど、前に比べたら(品物の)回収(作業)でも重いものが持てるようになったし、嫌な事があってイライラしたときでも、仕事は最後まできちんとやれるようになったよね。Cさん、力ついたなぁって、皆思っているよ。だから時給も上がってきたんじゃないかな。」
やさしくしてもらっている新人さんを見て「そうか、そういうことだったのか」と少しジェラシーのこもった声でつぶやく。それでもくさらずに「回収に行ってきます」と、毎日作業に汗を流している。
2年前、通所を始めた頃に比べ、筋肉で腕がひとまわり太くなり、心身ともにたくましくなったCさん。新人からの卒業は近いかもしれません。(小山)