投稿日:2008年12月15日

事務局通信 その24

事務局通信 その24 ありがとう
 
 NPO法人太陽と緑の会の運営する2箇所の作業所には、身体、知的、精神など様々なハンディを持ったメンバー25名が、自宅や生活棟などから作業所に通ってきます。
 「できること」は一人一人違います。電話で話すことができる人、重い物を運ぶことができる人、品物の選別ができる人、商品を磨くことができる人、値札をつけることができる人、店内の掃除ができる人、お客さんに売場の案内ができる人、レジができる人、など、様々です。自分が頑張ってもできないことは、できる人に助けてもらいます。
 年齢は20才から59才まで、いろいろな世代の人がいることでバランスが生まれます。
「わしも、だいぶ年をとったわ。老体やわ」と40代前半のメンバーAさんがつぶやくと、最年長のBさんが「ほんなこと言うたら、私はどうなるの」と返します。「Aさんがご老体なら、Bさんは化石?」と20代のCさんの突っ込みに「こら!(笑)」とBさん。
 そのAさん、最近は新館で接客の仕事もしています。
「ちょっと、ショーケースの中の商品を見たいんやけど」「はい」Aさんがショーケースの鍵を開けに行きます。
「ちょっと兄ちゃん、車の所まで(買った品物を)持って行ってくれへんで。重たいけん」「はい、分かりました」
 レジの所まで行き、お客さんの買われた品物を受け取り、お客さんと一緒に店の外へ出て行きます。
「兄ちゃん、ありがとう」「ありがとうございました」
 愛想良く営業スマイルを見せるわけではないけれど、お客さんの言葉が心のどこかに届いている瞬間がありました。
 誰かから必要とされること、それは、自分の存在を認めてもらうことなのかもしれません。(文責:小山)