2017年6月11日
太陽と緑の会
代表理事 杉浦良

代表のつぶやき

 毎年「代表のつぶやき(言葉)」と称して、振り返りと今後の方位の取り方を模索する駄文を書いて10年。ざっと読み返してみると、その時その時の自分の呻吟ぶりが蘇ってくるから不思議です。
 今年5月から33年目にして初めて、トラックでの回収エリアを徳島市内に限定させて頂くと同時に、家具の回収作業を休止しました。今まで回収活動の8割強は徳島市内でしたが、長年ご協力して下さった市外の皆さんの存在を思うと、申し訳ない気持ちで一杯です。
 「『人も物も活かされる街造り』をコンセプトに、様々なハンディーを持ったメンバー達がスタッフとともにリユース・リサイクル活動に関わり、それを市民の方々、ボランティア、そして行政にも協力してもらいながら・・、不要となった方から無償で提供頂き、なるべく安く必要な方に使って頂くことで、公的資金に軸足を置くことなく、自立型NPOモデルや次世代型ソーシャルアクションモデルとして活動していく・・」といったイメージで活動を継続してきました。
 リユース・リサイクルの中身がこの15年で大きく変わりました。当初徳島ではリサイクルショップと言えるものは、当会以外に質流れ品の販売店があるのみで、買い取り前提のリサイクルショップやネットオークションなどは存在しませんでした。家具については、要らない方と要る方のミスマッチが大きくなりました。不要になった勉強机を、勉強机として再利用される方が激減しました。作業台として活用されるレアケースもありますが「・・子供に使わせたいが、コタツで兼用できるし、置くスペースもない・・」といった現実があります。洋服ダンス、和ダンス、食器棚などは、部屋に作り付けのクローゼットがあったり、和服の数が少ないといった状況、システムキッチンにその機能があるなど、生活様式や家の構造の変化もあります。ベッドについては、再使用される方自体が激減したことや「・・ベッドを置くとご飯を食べる場所がない・・」などの理由以外に、中古ベッドなどの廃棄処分料金の高騰もあるのでしょう。マットレスをカッターナイフで切り、中のスプリングと外の布やウレタンを手作業で分離するなど、解体処分に人手と時間が掛ったり、新品の家具を買っても古い家具は無料で持って行ってくれない、といった時代の変化もあるでしょう。
 処分の側面から見ると、ダイオキシン対策として平成14年12月から焼却炉の規制が厳しくなったことが挙げられます。火床面積0、5平米(100センチ×50センチ)未満、1時間の焼却能力50キロ未満の焼却炉でも、助燃バーナー、送風ファン、二重扉が必要となり、800度を超える温度での燃焼が義務付けられました。ドラム缶簡易焼却炉で、解体した家具を燃やすことが当たり前であった当時をイメージできる若者はいなくなりました。
 平成13年4月から始まった家電リサイクル法によって冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンの4品目について、後払いのリサイクル料金とステーションまでの運搬料が掛るようになりました。車やパソコンのリサイクルはリサイクル料金が前払い制で、最後に処分する方が費用負担をする必要はありません。
 「先輩からもらった冷蔵庫、テレビ、洗濯機は、後輩のためにプレゼントするね!」という美談が、処分料が高く、いつ壊れるか分からない厄介物を押し付けられたといった、ネガティブスキャンダルに変わるわけです。
 「見せて頂いてから、回収できるかどうかを判断させていただきます。ただ万一回収させてもらい調子が悪い場合は、お返しするか、それともリサイクル料金とステーションまでの運搬料を頂くことになります。それを了承していただければお伺いできますが・・。リサイクル料金は品物のメーカーや大きさによって変わり・・」と、当会電話番のメンバー能力を超えた対応が、要求されるようになりました。
 当初から回収依頼のメインが、家具や家電リサイクル法対象の電化製品や資源ゴミあることは、余り変わりません。周りの状況が大きく変わった訳です。今までご協力頂きました皆様には誠に申し訳ありませんが、ご理解いただけますようお願いします。ただ持ち込んで下さる方々の対応は、今まで通りです。徳島市内に用事があるついでに、持ち込んでいただければ幸いです。物品受領書と機関紙をお渡しします。
 状況の変化に積極的に追従する訳ではありませんが「使えるものはもう一度使おう、使えないものは資源として再生利用しよう、大地に返るものは大地に返そう、それでも難しいものは熱エネルギーとして使おう・・」そんな持続可能な循環型社会に少し貢献できることを願います。
 また平成18年10月から障害者自立支援法が施行されたことで、それまで全国に6000箇所を超えて存在した無認可(法定外)と呼ばれた作業所が変わりました。それまで地方都市では当たり前だった、入所施設や通所授産施設とその他の無認可作業所という構図から、療養介護、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、地域活動支援センターと移行できなかった(移行しなかった)無認可作業所という構図に変わりました。地域活動支援センターと無認可作業所は都道府県によって公的助成が大きく違います。ただ細かく機能区分することで、個別支援計画等の書類を沢山作ることで、ハンディーを持つメンバーたちの状況が大きく進歩し充実した、といった声を余り聞いたことがありません。「移行したけど、中身は昔と余り変わらん・・。公的助成が増えて・・安定はしてきたけど・・。重度軽度といった障がい程度より、毎日来てくれて、皆と仲良く馴染んで、家庭的にも問題ないメンバーを気が付けば求めるようになって・・。日割り報酬導入で、一日メンバーが来たらいくら?といった感覚が、いつの間にか身についてしまった・・」そんな本音も漏れます。太陽と緑の会は相変わらず、地域活動支援センターとして「太陽と緑の会リサイクル作業所」、障害者地域共同作業所として「太陽と緑の会月の宮作業所」を運営しています。運営費として頂く公的助成は、全体の15、4パーセントです。障害者自立支援法施行前と施行後では、地域活動支援センター機能強化事業費として年間150万が増えました。(それまであった在宅重度障害者援護事業費110万が打ち切られたので、実質増額は40万)それでも徳島県最初の福祉共働作業所として立ち上げた時は、公的助成がゼロであったことを思うと、有難いことです。当初は施設が利用できないメンバーや障がい者として対象になっていないメンバー、施設では対応できないとされたメンバーや非社会的・反社会的な問題を抱えるメンバーなど、行く場所の無いメンバーが中心でした。無い無い尽くしで向き合う中、今日を乗り切ることで精一杯でした。一年間ボランティアとして参加してくれた人たちに支えられた日々を思うと、「何の為の活動なのか?」そう自問する言葉が蘇ります。
 6月11日朝、徳島新聞朝刊に「欲深い人間の悲しさ」と題して内山節の文章を見つけました。「・・とすると自然から離れ、人間の価値観だけに執着するようになったとき、人間の何かが壊れていくのかもしれない。そう思いたくなる現実が、いまの日本の社会にはある」そう結ばれた言葉が、なぜか私の心に刺さっています。大事な事を見失わずに、微力ながらも歩んで行きたいと思います。






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特定非営利活動法人(NPO法人)太陽と緑の会
太陽と緑の会事務局
地域活動支援センター 太陽と緑の会リサイクル作業所
〒779-3120 徳島県徳島市国府町南岩延107-1
TEL・FAX 088-642-1054
活動時間 午前10時−午後7時
     毎週水曜日 祝日 毎月第2・第4火曜日 休み
障害者地域共同作業所 太陽と緑の会月の宮作業所
太陽と緑の会月の宮共同生活棟
〒779-3133 徳島県徳島市入田町月ノ宮227-39
TEL 088-644-0171