2020年1月19日
太陽と緑の会
代表理事 杉浦良

代表のつぶやき


 「人も物も活かされる街づくり」を太陽と緑の会の活動としてスタートして36年目となりました。一年半前に「次の展開を考えなければならない時期であることは、間違いありません」とこの欄で書かせてもらいましたが、なかなか次の展開が思い浮かびません。歳やマンネリもあるでしょうが、新たな方向という形での見え方ではなくなった、というのが正直なところです。不備な点、問題ある点、社会的欠陥や制度矛盾といった軸で語ることは沢山あるにしても、その軸もさることながら、誤解を恐れずに言えば「足るを知る」といった地平の大切さにも、心を動かされます。「我慢する」と捉えると不平不満に繋がりますが、「一つの問題を掘り下げて問題解決する」横に、山ほどの別の問題が横たわっているわけです。山ほどの問題にパーフェクトに対応することなど、最初から無理な話で・・全体を俯瞰しつつ、全体のバランスを考え、適当な落としどころを探しながら、やれる範囲で対処する・・そんな歯切れの悪い言葉になります。体力が低下するなか、確率は低いが奇蹟が起こるのを信じて手術する、すぐに効果は表れないかもしれないが漢方薬投与で、少しずつ直していくやり方の違いとでも言えるでしょうか。前者の切れ味の良さに比べて、後者は諦めずに長く継続しなければなりません。潔くなく、ぱっと華々しくもなく、女々しく、美しくもない。途中で死ぬかもしれない恐怖に慄きながら、それでもコツコツやり続けることで、ひょっとすると光明が見えてくるかもしれない、そんなイメージです。
 「追いつけ追い越せ」の時代から「Japan as No.1」と言われた時代、そして「低成長と成熟」の時代となりました。少子高齢化、高齢者福祉と医療年金問題、子育て育児教育問題から格差問題、自然災害や原発事故、地球温暖化や国と国との問題、GAFAと言われる多国籍企業問題など、国内外、地球規模の問題も山積です。SDGsという言葉が盛んに呟かれるようになりました。障害福祉エリアでは工賃倍増や工賃向上が叫ばれるようになりました。「障害基礎年金と工賃で一人暮らしが出来る水準に」そんな言葉も聞かれるようになりました。太陽と緑の会も「その人なりの足で、その人なりの立ち方」を模索してきました。ただ「少なくとも最低賃金を確保しないと、1人暮らしなど出来ない」と言われると「全てのハンディーを抱えたメンバー達が最低賃金を確保できる仕事に対応できるとは思いません」と答えます。一般企業で最低賃金をもらうためにはこの位の仕事をしてもらわなければ、といった暗黙の基準があります。公的資金(税金)という下駄をはき、しばらくは最低賃金を保証できても、利益が確保されなければ会社は破綻します。その基準を無視できるのは新人の少しだけの間というのが、今の日本の現実でしょう。
 ではどうするのか?月の宮生活棟で暮らすメンバーは、障害基礎年金2級の6万6千円と作業所で2万円を確保できれば、6畳(押し入れ付き)の個室に住み、食費(3食)、光熱水費の生活費一式(トイレットペーパー、シャンプー、洗濯石鹸、タオル、衣類、布団なども含める)、24時間の傷害保険、健康保険料等、小遣い1万円、貯金1万円の生活が成り立ちます。リユース・リサイクルの活動と農作業(自家消費無農薬野菜作り)を行っている、そして徳島市郊外という立地条件が、この実践を可能にしています。
 東京や大阪では成り立たないことを、徳島で成り立たせることの重要性を思います。


>>トップページへ戻る
特定非営利活動法人(NPO法人)太陽と緑の会